いやあ面白かった!
ヤギミルクの生産者である川添健太郎君の経歴は異色で、タイトルに書いたとおり、ドイツのハンブルグで現代音楽を学ぶ。そう、武満徹とかのアレだ。
「そうですね、、、聴きにくい感じの音楽です(笑)」
それがドイツで彼のこころに残ったのは、ヤギミルク製品だったのである。ドイツで特別にヤギ乳が飲まれている訳ではないのだが、なぜかそこが彼の琴線に触れた。そして帰国後、農協グループの共済連で仕事をしながら畜産のほうに接近していき、数年前~このヤギで食っていこうと畜舎をハンドメイドで建てて、ヤギを導入する。それ以降、資料などを読みながら完全に独学でヤギの飼育をしている。
OLYMPUS E-M1 7-14mmf2.8
いったいどんな広大な山腹に牧場があるのだろうかと思っていたら、意外と街中である。田んぼが拡がる中に、住宅だろう?という風情で立っているのが川添牧場。手前の草原はソルゴーなどを植えた牧草地となっている。
まったくもってハンドメイド感ただよう畜舎である。
こちらは、オスが産まれた場合には肉用にするので、去勢済みのヤギがすむ肥育舎。
彼が飼うのはザーネン種がメインで、アルパイン種も数頭いる。
こちらが搾乳ヤギのスペース。こちらは搾乳を終えたヤギがゆるりと休むスペースだ。
体毛が茶色でひときわ大きいのがアルパイン種。
畜舎内に入ると、右側に搾乳前のヤギが配置されている。
通路に搾乳スペースを設置。まさか手絞り?と思ったが「さすがに40頭いると手では無理ですね!」とのこと。それにしても手作り感満載である。
餌は、青草と牧草のサイレージ、飼料用の破砕米とWCSなど、やれそうなことは片っ端から試している。
なんと飼料米の生産は十町歩!もやっている。立派な農家である。もちろんこの地域、一枚の圃場が小さいので、100枚くらいの田を移動しながら細かくやっている。
この餌の設計は、なにを目指しているかというと、それはミルクの味。味わいがよくなり、独特の癖がなくなるような飼料配合をめざしている。
ほんとうに、驚くほどに彼のヤギミルクは、クセが少ないのだ。
しかしヤギは泌乳量が少ないので、2日間でやっと60リットル程度になる。それを低温殺菌してボトル詰めするのが、高品質で美味しく楽しい牛乳を世に出すひまわり乳業である。
ヤギミルクを充填するところを特別にみせていただいた。
あまりにもロットが少ないので、充填以外は完全手作業!
こんなに苦労してできた山羊乳。500mlで1000円は妥当な金額なんです。
ボトル詰めしたてのヤギミルク、実に美味しいです。そして、実験的に作った酸凝固のチーズも実に可能性を感じさせる出来!
畜産てほんとに面白いね、、、川添さん、応援します! 11月には彼の肥育したヤギの肉を食べる会が開催されますよ。