月に一度、目黒に髪を切りに行く。そして、その周辺でカレーを食べるというのが習慣化している。
五反田で仲良くなり、奇跡的に俺に合った感じで切ってくれる理容室をみつけたら、そこのGOUクンが目黒店に異動しちゃったのだ。でもまあ、一駅だしね、ということでついていくことに。
目黒界隈で何を喰おうかと、その理容室にある雑誌をめくっていたら気になったのがタダカリー。下目黒から移転してきたというこのお店、ご夫婦で営まれているカウンターのみの小さなお店。一度に10人くらいしか座れないのでランチタイムは待ちが発生するが、待つ価値のある店だ。
iPhone6sPlusで撮影
チキンカレー、キーマカレー、グリーンカレーがあって、どれも完成度高いけれども、チキンカレーが一番好きだ。写真は野菜トッピングをつけてご飯も大盛り。僕がカレー屋に求める、白飯が美味しいことという条件をかなりハイレベルでクリア。ご夫婦は余計なことは一切話さず、かといってぶっきらぼうというわけでもない、心地よい空気が流れる店だ。
iPhone6sPlusで撮影
こちらは辛口のチーズのせ。だが、チーズはルーのスパイス感をすこしスポイルするのであまり勧められない。
このタダカリーの目の前、横断歩道を渡ったところのビルのたしか4階あたりに、「カレバカ世紀」という店がある。「世紀」はせいきとは読まず「つぐき」と読む。なんでも店主の名前だそうだ。ここのカレーもしっかり自分で仕込んでいる系統らしいということをきいて、タダカリーをいちど断念して入ってみたことがある。
この日はたしかチキン大盛りを頼み、トッピングはオニオンフライにしたと思う。ここもとても美味しい。アキタコマチを直接取り寄せているようで、ご飯もなかなかのもの。ところがこの店、デフォルトの盛りがあまり多くないようで、大盛りはやまけん的には普通盛りのポーションだ。
ということで、食べ終わって店を出て、横断歩道をわたってタダカリーでキーマ辛口を食べてしまったが、、、それでもカレバカ世紀、味的には非常によい評価。
さて、そんな日々のあるとき、目黒に本拠を置く某出版社の常務のカツマタさんが僕のブログをずっと読んでいただいていたということを識り、会食させていただいた。その折に目黒カレー談義をしたところ、やはりこの二店はヘビロテで行っておられた。
「カレバカはですね、私のお薦めはポーク角煮カレーなんですよ」
と、紳士然とした方がおっしゃるのをみるのはなかなかに楽しい(笑) 後日お薦めの角煮カレーを食べたところ、確かにこいつはドンピシャ!という味だった。
しかし、そのカツマタさんが気になることをおっしゃるのだ。
「でもね、私的には目黒にもう一点、注目すべき店があると思っています。「ランド」という店なんですが、、、今度ご一緒しましょう」
なんでも、権ノ助坂をおりきって橋を渡り、しばらく歩いたところにあるのだという。そっちまでは探してなかったなぁ。そうしたらなんとカツマタさんがご異動されるというではないか!目黒を離れるというので、その前に行ってみたい。しかも、今月号のdancyuカレー特集にもドカンと載ってるじゃん!やばい、混んで入れなくなる!?(実際は、dancyuに載らなくても混んでるとのこと)
ということで行ってきました。
いいですね、このカレーやらしからぬ、なんかパリ?的な?
これは帰り際の写真で、13時20分くらいに入ったときは、ギュウギュウの満員。通し営業なので、時間ずらしていった方がいいかもね。カツマタさんは常連らしく、店主さんから「どうも」と声をかけられていた。
みめうるわしきチキンは頼むとして、ポークもバターチキンも気になる。
「わたしはポークにします」とカツマタさんがおっしゃるので、僕はチキンとバターチキンをいくことにした。一食一会ですので、頼めるだけ食べるのです。
ここからしばし待ちます。なんつってもカレーを作るのは店主さんただひとり。プロセスがとても丁寧! ご飯はなんと炊飯器ではなく鍋で炊いている!それを保温器に都度いれるのだが、わりと小さい鍋なので、何度も炊きながら営業しているわけだ。素晴らしい、、、
そのご飯を、ダムカレー的な立体に盛りつける。保温器の横にもう一台の保温器があって、そこにはマッシュポテトが入っている。そのポテトをすくってご飯の横に盛る。そしてルーを鍋からとってもり、それでおわり、、、ではない!
そこから、パウダーのスパイスなどを数種類ふりかけている! なんと手数の多いカレー屋さんなのだろうか。インデアンカレーの超効率的なカレー出しと対照的である。
しかし、これもまた素晴らしい、、、みているだけでたのしい時間が15分ほど。そしてやっと来ました!
まずはベーシックなチキンカレー。ね、いろいろふりかかってる。
なんとも完成度の高い、スパイス際立つチキンカレー。しかも鶏肉が、デフォルトでドッサリ入っている!これはうまい、、、
そしてこちらがバターチキン。
いやもうビックリ。あまっぽくてカシューナッツペーストの風味が濃い、その辺のインドレストランで出てくるものとはちょっと違う!
どちらかというと甘みは抑えていて、クリームのうま味に伍するほどスパイスが効いている。しかししっかりバターチキンの風味はある。
「これは、美味しいですねぇ、、、」とカツマタさんも唸る。
そしてカツマタさんがオーダーしたポーク。ひとくちいただいた。
いやーーーーーーーーーーーー これはいい! ポークビンダルーの、からみをそこまでキツくしていないバージョンといえばいいのか。マイルドな豚肉の旨さに酸がビシッと効いて、実に白飯を食べさせる味! ポークビンダルの味は好きだけど、辛いのは苦手という人にはちょうどいいと思う。
いやー楽しめたな、、、 これはカツマタさんご異動後も行ってしまうこと確定。しかし、髪を切るのは月に一度だ。はしごするとしても二店が限界だ。今後、どんな目黒カレー計画をたてるべきか、いまから悩んでしまうのであった。