やまけんの出張食い倒れ日記

熊本県益城町の震災後の光景に絶句しつつ南阿蘇を行く。ぽっこわぱ農園のみんなは元気です!八百藤卒業生は懐かしんで下さい。ちなみにこの一番右に立っているイケメンは、当時小さな子供だった拓です。いまや大黒柱!

_D806968_1
D800+24-70mmf2.8

福岡での一夜が明けて、熊本は益城町へ。震源地となってずたずたになったところもあれば、意外と大丈夫というところもある。現地の人に寄れば「被害はグラデーション。全部一様に壊れてる、とかじゃないんですよね」とのことだ。

たしかに熊本のインターを降りたあたりでは、特に「ひどいっ」と思うような建物の倒壊などは無かった。しかし、益城に近づくと、、、こんな風に、地震の爪痕がはっきりと示される。

 

_D806833

みはらしのいい道路では、規則的に並んでいるはずの電柱が、かなりの割合でよれっと傾いてしまっているのがはっきりとわかってしまう。

_D806839_1

しかも、すでにアスファルトで補修されているものの、亀裂が入ったり段差ができてしまった部分を埋めているので、道路がかなりでこぼこで、スピードを出すことができない。そういうこともあって、益城を通る幹線道路も恒常的に渋滞が続いている。

益城町の市街地に入ると、ブルーシートを屋根にのせている家が目立ってくる。

_D806806

_D806810

_D806814

そしていきなり、倒壊した家屋がどどどどっと連なる地域へ。

_D806818

_D806820

もう、絶句、、、

_D806821

遠目にはあれ、無傷?と思いながら近づくと、一階部分がつぶれてしまっているというのが非常に多い。

_D806822

これは、ほんとうに大変だ、、、

_D806841

どこのメディアか、ビデオカメラを三脚において撮影しているチームを2、3みつけた。一日も早い復興を祈るばかりだ。

奇跡的に、被災の影響が軽微だった丸菱の6次化拠点マースで、新製品の打ち合わせをする。_D806863_D806855

丸菱が誇る、あか牛のドライエイジドビーフをつかったシャルキュトリー製品を企画するので、愉しみにしていて欲しい!

そして、九州ではトップクラスに素晴らしいチーズを作る職人・うらけんさんにも久しぶりに再会。

_D806866

_D806870

相変わらず、彼のチーズはいける!

_D806874

最近は、酸凝固のチーズを果実やシロップ、みりんなどに浸して浸透させた、デザートチーズが素晴らしい。

_D806889

熟成チーズもトライしているので、1年2年ものが出てくるのが楽しみだ。

_D806897

試食後は、九州のフレンチシェフが集まるミラベルという組織に属する、福岡の香椎町でフレンチの颯香亭(そうかてい)を営む金丸シェフが、益城町への炊き出しプロジェクトの相談にきていたのを横でききつつ、仕事をしていた。

このあと僕は南阿蘇は長陽村のぽっこわぱ農園に向かう。僕が高校生の頃に出会い、農業関連の仕事を一生の生業にしていくことを決めた、きっかけとなる農場だ。

ということをちょろっと話したら、金丸シェフが「えっ それってドニーさんの農園ですか?」というではないか!?

えええええっ

日本のバイオダイナミック農業の第一人者、ぽっこわぱ農園のドニー・ピリオさんをご存じなんですか?

「いやー僕、あの辺のペンションで修行してましてね。そこで一念発起してフランス修行にいくことになって、フランス語をドニーさんに教えていただいたんですよ! いやほんとうに奇遇だなぁ、ぽっこわぱが無事かどうか気になってたんですよ。僕もご一緒していいですか?」

ええええええええええええええええええええええええええええええええええ?

これだから縁というものはスゴい!

ということで一路、長陽に向かう。ただし、ご存じの通り、大津から長陽に抜けるいちばんの近道である阿蘇大橋が、土砂崩れによって消失してしまったので、大きく迂回しミルクロードを抜けていくルートを通る。

_D806924

それにしても、阿蘇はやっぱり美しい。

_D806929

水を入れて田植えができている田んぼもあって、ほんとうに佳かったと思う。ただ、地割れで水も入れられず、放置されている田も多数あった。農家さん、冬の間に各種の準備をしてきただけに、残念無念だろう。

1時間半程度で長陽のファミリーマート(このあたりにコンビニができるなんて、25年前には思わなかった(笑))に到着。ドニー&よしこ夫妻が迎えに来てくれた!

_D806933

金丸シェフとドニーさんの再開も20年ぶりだという。

_D806935

_D806936

「博多でのイベントでうちの野菜を使ってくれて、ほんとうにありがとうねぇ~」

とよしこさん。僕を「ケンちゃん」と呼ぶ数少ない一人です。

さあ、こっから先は、青春時代にぽっこに出会った人達が懐かしいはずの風景を!

_D806940

この小さなトンネルを抜けると、、、

_D806944

そこにぽっこわぱがあった!

_D806947

_D806948

_D806949

ありがたいことに、母屋も無事! とはいえ、土間にあるあの大きなテーブルが倒れたそうだけど!_D806951

_D806955

そうしたら、なんと向こうから、一人の青年が、、、

_D806957

_D806958

_D806960

_D806962

八百藤のみなさん、覚えてますか? 僕たちが研修に行っていた頃、小学校低学年でやんちゃに遊んでいたタク坊です。

_D806969

結婚して、すでに二児のパパ。

_D806983

いま、近隣の養豚企業さんの、なんと工場長!生産のトップであります。

_D806963

「やまけんにと思って」と豚肉を持ってきてくれていたんだけど、僕が食べるよりも、金丸シェフに味見してもらった方がいいでしょう、とお譲り。

「いやいや、もう発注する気でした」と金丸シェフ!

_D806964

研修生も含め、ぽっこわぱの人達はみな無事!です!

_D806973

ねぼけまなこで起き出して、天然酵母パンのトーストに練り胡麻ハチミツを塗って食べたあの土間も健在!ここで名シェフ・よしこさんの傑作を何回食べたことか、、、

_D806977

30分も居る余裕がなかったけど、最後に畑も。

_D806985

_D807004

博多でのイベントで絶賛されたバタビアレタスとロメインレタス。

_D806998

_D806999

_D807006

ぽっこわぱの大黒柱でもあるよっちゃんも帰ってきた!

_D806990

_D806989

とても短い時間だったけど、凝縮された刻を過ごした。

ぽっこにゆかりあるみなさん、ドニー&よしこ一家は元気です。来週には、末娘のハナが東京に出てきているので、ご飯を食べに行ってきますよ。

このあと、阿蘇グリーンロードを通って空港へ。なんと長い一日だったことか。空港のいきなりステーキで肉食べようと思ったら、なんとレストラン街はまだ復旧しておらずなにも営業していなかった。ガーン!

まだ余震が日々あるという熊本、完全なる復興には時間がかかりそうだが、ぜひ熊本産品を買って食べて、その一助となりたいと思う。

ということで、ぽっこわぱは元気でした!