さて田野畑村に廻ってもらったのは、ここに顔を出すためだ。
岩手各地の食材をフレンチに落とし込み、素晴らしい料理を提供してきた伊藤勝康シェフ。東日本大震災直後から、自分の店よりも沿岸部の被災地に毎日のように炊き出しに出動。しかも山形のアル・ケッチァーノ奥田さんなどと共闘し、県外から押し寄せるボランティア希望シェフをとりまとめ、被災地をどう効率的に炊き出しして廻るかということを独自にプランニング。
そして「せっかく岩手に来てくれたんだから」と、県外から駆けつけたシェフたちの炊き出しが終わると、自分の店ロレオールにて自腹で岩手食材を食べさせる。「どう、このホロホロ鳥?美味しいでしょ?」というふうに、岩手を売りこむ!
もはや岩手県の地産系料理人としては最高峰の存在だ。本ブログでは、そうした炊き出しシェフに対する支援金を募り、1千万程度の資金を提供してきたが、その多くは伊藤さん経由で被災者のお腹を満たすこととなった。
その伊藤シェフ、じつは前の店のオーナーともめた。話し聴いたらひどいオーナーだったのだ。その生々しいいきさつは、炊きだしに寄付していただいた方に配付した報告書に詳しく載っているのだが、、、(笑)(←余部がけっこうあるので、欲しい人は進呈しますゾ)
さて、その伊藤さんが新たに立ち上げた店がこのロレオール田野畑だ。田野畑村の地産地消を促進し、外へ向けて発信するための拠点という位置づけである。
、、、それにしてもすっげー場所にあるぜロレオール!確実に車でないと行けません。
かつては海の見張り台だった施設を改築したのがここだそうだ!
そして、北三陸食材研究所という看板も。これが実に意味深くて、三陸と言えば宮城よりか宮古あたりになってしまいがちだが、それより上の方も食文化や極上素材があるぜ!ということなのだ。
店内もひろびろ!
そしてもちろん伊藤さんの元気な顔!
ランチもディナーも、都内基準でいったら格安です、、、ただ、ここまでの移動コストはけっこうなもんだけどね(笑)
シェフの後ろにみえるように立派な厨房があるのだが、、、
お客さんの顔を見ながら料理をしたいので、だいたいこちらのカウンターにたって、対面で食材の説明をしながら火を入れたりすることが多いそうだ。それはいい!
なんつっても外を見れば海!中を見ればシェフという、どちらにしても嬉しい空間配置だ。
「この辺はね、とにかく食材が素晴らしいんですよ。たとえばこれ、アミガサダケ(モリーユ)。今朝直売所に行ったら、100円で売ってたの。信じられないでしょ?」
「そうそう、昼のランチの残りの合鴨があるから、食べてって下さいよ、、、」
もちろんとりだしたるは、オイゲンの南部鉄器のフライパン!伊藤シェフ仕様ですな。
「カモはね、国内では地元のアマタケがシェアナンバーワンなんですよ!しらなかった?」
ほんとだ、立派なカモ!
美味しくいただきました!伊藤さんらしい、ジュをベースにした、素材の味を前に出すソース。
まあそれにしてもここにいるといろんなものに出会うそうだ。
「こないだなんかドングリ、これ拾ってひとつひとつ処理してたら大変ですよ、それもらっちゃった。」
まったくいろんなことに不自由してなさそうである。
今回は、とにかく顔見せなので、このへんでタイムリミット。でも元気そうで本当によかった!
もし近所に行く機会があるなら(って、それがなかなかなさそうだけど)ロレオール田野畑は絶対に廻って欲しい場所である。伊藤さん、今度はゆっくり食べに行くからね!