もう10年経つんだな、、、
工藤ちゃんこと工藤卓也君との出会いは2000年、僕が転職して青果流通のベンチャーに移ってすぐだ。会社が茅場町にあったので、周辺の飲食店をいろいろ物色する中で、素晴らしき店に出会った。それがいまはなき「五穀家」。100席近くある大店にもかかわらず、お燗をつける専用の大きな独鈷(どっこ)があり、料理に合わせて温度を変えた燗酒を飲ませてくれた。しかも、竹鶴や扶桑鶴、神亀などの純米酒ばかりが置いてあった。
この店の若き店主が工藤ちゃんだった。大学時代から竹鶴酒造と仲良くさせてもらっていた僕が「あのさ、竹鶴の蔵本と仲いいんだよ、オレ」と話しかけるが、工藤ちゃんは(あー よく来る「仲良くしてる」っていうけど、一度行ったくらいのヤツだな)と思ったらしく、「あーはいはい、そうですかぁ~」とつれない。
翌週、竹鶴酒造の娘で僕の大学時代の同期のエイコを連れて呑みにいって紹介したら (ゲッ マジで仲良かったのか!)という感じで仰け反っていた。以来のつきあいである(笑)
その後、五穀家を辞めた彼は、しばしの彷徨の後、錦糸町に自分の城である「井のなか」を建て、成功させつづけ今に至る。
その10周年を祝おうと、工藤ちゃんの好きな酒の代名詞ともなっている竹鶴酒造の敏夫社長が発起人となり、本人にはサプライズで祝うこととなったのだ。
場所は下町・平井の老舗鰻店「魚政」。
工藤ちゃんに伝えた時間の30分前に集まって、てんやわんやで準備する。
あっ 扶桑鶴の大畑さんだ。
こういう蔵人達が集まっていました。
福岡からは「杜の蔵」の森永君。
美人の嫁さんが来てくれ、しかも子宝に恵まれてようやく真人間になりつつある竹鶴敏夫。
こんな懐かしい顔も、、、五穀家時代から工藤ちゃんを支えてきた浅利君。いまは結婚して北陸に住んでます。
さあ準備整ったところで、工藤ちゃんが駅に着いたと連絡あり。待っていたところ、、、
工藤ちゃん登場!
「えっなになに、、、?」
工藤ちゃんには6人くらいでこじんまりと、打ち合わせしようということになっているらしいので、ちんぷんかんぷんなのだ。
「えっ なんでいるの?」みたいな(笑)
そして工藤ちゃんのイメージキャラクターでもあるカエルのくすだま(芸が細かい!)で、、、
バンザーイ!もう工藤ちゃん、汗が止まりません、ハイ。
乾杯の音頭は、なんとあの「夏子の酒」「蔵人」を描いた、漫画家の尾瀬あきら先生!
ほんとうに幸せ者だよ、工藤ちゃん。と言うことで乾杯!
それはともかく、この「魚政」の料理はとっても美味しいものでしたよ!
もちろんお酒はすべて持ち込み(笑) そして蔵人自身がお燗番!なんという贅沢な、、、
井のなかの二代目板長、佐久間さんも!
井のなか開店当初の店舗イメージデザインは、作家の神澤ゆみこさんがやったのであった!
「BOYS BE…」の原作者であり工藤ちゃんにさまざまなアドバイスをしてきたイタバシ師匠。
そしてひとりひとり、工藤ちゃんへのお祝いを。
いま井のなかに務めている、中国から来たスタッフちゃんなんか、工藤ちゃんに救ってもらった、といって泣いてたもんナー。
そして工藤ちゃんつながりからできたカップルもいるわけです。
酒は純米、燗ならなおよし、、、
そういえば、ここの鰻は実においしかった! 蒸し時間が短いのだろう、皮目のネッチリした脂が抜けきって無くて、これがいい!
さて、発起人の竹鶴敏夫から表彰状。もう工藤ちゃん、涙が止まりません。
イタバシ師匠からは「工藤ちゃんにはメーワクかけられたんだよ~!でも、十周年おめでとうね!」と温かなスピーチ!
そしてこの日集まった蔵元が結集して作ったスペシャルまえがけ!みんなのサイン入りを贈呈!
さあ、肝心の工藤ちゃんのお礼の言葉なんですが、もうまともにしゃべれません。
珍しいことに、おれももらい泣きしちゃったよ、、、いい仲間に恵まれてほんとによかったね工藤ちゃん。
〆は、日本酒ライターといえばこの人!藤田千恵子さんより!
工藤ちゃん、あらためて井のなか10周年おめでとう! 次なる20周年に向けて頑張っていきましょう!