やまけんの出張食い倒れ日記

山が動いた! セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が退任、、、! いったいこれからの小売業界はどうなっていくのだろうか。

すでにニュースになっているけれども、本日開催された取締役会で、セブンイレブンの井阪社長を交代させる案を提出した鈴木敏文会長達が否決された。そして鈴木会長が退任するという。

どえらいことです、、、

小売業界のトップであるセブンイレブンを要するセブン&アイホールディングスでは、以前から鈴木会長の専横ぶりがかなり問題視されてきた。まあ、結果出してきた人だから専横は仕方が無い。けれども、そろそろ老害という声もあちこちから漏れ聞いていた。

セブンイレブンもだけれども、不振にあえぐイトーヨーカドーの舵取りを間違えたことが大きかったと思う。いまのイトーヨーカドーは、好調なセブンを見習えと言われているのか、よい食材を並べるべきところにセブンプレミアムの惣菜を並べたりしていた。

コンビニよりよいものを買いたい客が来るはずのスーパー店頭をセブンイレブン化してしまっていた。そんな店づくりがお客さんによいと思われるはずがない。しかも、食品の背景にあるストーリーを大事にしたPB商品があったのだが、鶴の一声があったのか、消えてしまった。あれ、とってもよかったのに。その商品の跡地に、セブンプレミアムの惣菜が立ち並んでいるのをみるのは、落日のイトーヨーカドーをみる思いだった。

まあそれだけセブンが好調であるということの証だろうけれども、セブンはコンビニであって、スーパーではないのだ。同じ戦略とっても仕方が無い。そういう意味では、鈴木会長の最高傑作であるセブンイレブンからご自身が否定されて退任するという今回の流れは、はたからみていてなんともいえない物語である。

そしてこれから小売業界はどうなるのだろう。

日本にはまだスーパーチェーンが多すぎる。チェーンが多いと、他社に勝つために安売りを仕掛けなければならない。安売りは、なんらかの無理をしなければできないことである。チェーン自身が自分の利益を削って安値を実現するという涙の出そうな自己犠牲をするなら賞賛するが、ふつうはそんなことはせずに、卸やメーカー、生産者を叩くことで安値を実現する。

だから戦国時代のごときいまのような乱立の構造ははやく平定されて欲しいとも思う。その一方で、大きな流通が全てを牛耳り価格を決めるパワーを持つと、これはこれで非常に怖い(最近のamazonをみればなんとなく予見できるはずだ)。

さて、これから日本の流通はどうなっていくのでしょう。でもその舵を取ることが出来るのは、ほんとうは消費者なのだ。消費者がよいものを適正価格で買うという行為を支持していけば、それに呼応する業態が残るはずである。

日本がイオンとセブンイレブンだけの国にならないようにと心から祈る。そして、鈴木会長退任後のイトーヨーカドーがまた隆盛になりますようにと祈る。だって、イオンと違って、イトーヨーカドーの食品売場はとってもよいものが売っているんだから。