タイトルですべて語ってしまっていますが、、、今月号をもって、食の専門出版社・柴田書店の主力雑誌である「専門料理」が創刊50周年を迎えた。おめでとうございます!
月刊専門料理 2016年 04 月号 | |
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食に関連する雑誌はいろいろあるわけだが、一般消費者向けのグルメ誌とは違ってこの雑誌は料理人や関係者向け、それも極めつけにハイエンドに向けた雑誌である。
僕はこの雑誌に2007年から連載を書かせてもらっている。当時編集長を務めていた柴田泉さんから連載の仕事をいただき、農産物の基礎知識について書いたのがはじまりだ。翌年、座学だけではなく実地編をということで、食材の生産者を周って、その食材が出来る様を追う連載となった。
さらに2009年には「牛を飼う、日本の食を考える」という、このブログのようなタッチで、僕が所有している短角牛のことや肉の話しをいろいろ書くという連載を始めた。野菜や米といった食材にくらべると、やはり圧倒的に肉というテーマは大きく重い。この連載で一気に、多くの読者さんに読んでもらえるようになったようだ。
2012年からは「日本の食を数字で考える」という、毎月一つの数字(たとえば食料自給率とか)をテーマにした連載を書く。
2014年には「新編・日本の食を考える」としてフリーテーマでいろんなことを書いた。
そして2015年から「やまけんが聞く!」というタイトルで、料理人や生産者やメーカーさんなど、旬な人にインタビューをするという連載を書いている。
ありがたいことに、、、この専門料理に書いていることで、全国どこのレストランにいっても「あっ 連載読んでます!」と言っていただけるようになった。これがまた本当にビックリするのだけど、岩手や高知、北海道に福岡と、どこにいっても「読んでます!」と言ってもらえる。先日なんか、コートドールの斉須シェフにまで「読んでます!僕にとってはああいう知識も食材です!」とまで言っていただけた。
そういうこともあって、「専門料理」は僕の中でも特別な存在である。
さて50周年記念号だが、これはもう料理愛好者なら絶対に買った方がいい。柴田書店といえば日本のフレンチの歴史を追ってきた存在なのだが、そのフレンチの50年を細かく精緻に追う特集なのである。50年前といえば1966年ですよ!
そしてその各時代のエポックとなる料理を、写真とともに提示してくれる!
この70年代の、すべてにピントが合った、しかもストロボを直射してるような感じのどぎつい表現もあったりして、時代を感じることこのうえなし!
そして2000年代に入ってからの料理の変わり方がまたドラスティック!
もちろん写真ビジュアルだけじゃない。丁寧にていねいに、その年代におこったフレンチ界の動きが、社会状況とともに語られる。
本気で、お世辞抜きで、これは料理が好きな人は必携の雑誌だ。いや雑誌ではなく一冊の単行本として扱った方がいいくらいの内容である。
そして、今号で僕的に最大のサプライズがこの企画だ。
柴田日本料理研鑽会TOKYO!?
実はこの「専門料理」最大の人気を誇る連載記事が「柴田日本料理研鑽会」というページで、「菊の井」の村田さんや「瓢亭」の高橋義弘さんをはじめとるす京都の料理人さん達が、毎月のテーマ食材をおもいおもいの技術で料理に仕立て、みんなで講評し合うというすさまじい会だ。これを完全誌面化しているのだが、、、
その東京版ができたとは! しかもみればおわかりの通り、世界の「龍吟」山本征治に「賛否両論」笠原さん、「くろ木」黒木さん、「日本橋ゆかり」野永さん。こういうメンツで来たか!
内容、むちゃくちゃ面白いです。これも連載企画にして欲しい!
そして、、、
この号の僕の連載は、あの「桃太郎」トマトを開発した、タキイ種苗の加屋さんをインタビューしている!
種の世界で加屋さんを識らない人はいないだろう。数多くの野菜ヒット品種に関わった育種家である。
育種家はどんなことを考えて品種を創り出しているのか。
そもそもどのように種は開発されるのか。そんなことを聞いています。
料理をつきつめるなら、食材の来し方も識らなければならない。野菜のおおもとといえば品種の世界に踏み込まざるを得ない。そんな思いで、滋賀県にあるタキイの研究拠点に行ってきました。
まあ、僕の連載はともかくとしてこの号、買って損はない。どうせなら流通在庫がなくなるくらいに買ってあげようじゃないか。
専門料理編集部のみなさん、そしてこれまで関わってこられた関係者のみなさん、50周年おめでとうございます。そしてこれからも日本で最高の料理メディアであり続けることを祈っています。僕も頑張って書きます!
月刊専門料理 2016年 04 月号 | |
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