畑じゃないくてただの山じゃないか、と思う貴方。そう思うよネ。たしかにただの山の斜面のように見えます。
木の切り株がけっこうそこらへんにゴロゴロしてるのです。
庄内といえば伝統野菜が有名なところ。そして庄内の伝統野菜の代表格といえばアレです、、、実は上の写真にもちゃんとそのモノが写っている。
おっ 雑草に見えたけど、、、この葉っぱの根元にある赤いのはもしや!?
そうです、庄内の在来品種、藤沢カブです。
なんで山の斜面かというと、杉の木を切り出した後地を焼き畑にする。まだ火がぶすぶすと燃え残っている状態でカブの種を蒔く。そうするとヒートショック(熱のショック)でカブの種が起き出して、発芽する。焼き畑にした草木の灰を肥料分として(他にもまくそうだけど)カブが育つ、という塩梅だ。
焼き畑は環境破壊、と思う人も居るかもしれないが、それは大規模な山林を焼き尽くしてしまう焼き畑のこと。日本の焼き畑は広い区画をいくつかに区切って、年々場所を移動させながら焼いていく。焼いた後地を畑として使った後は、また植林をする。そのサイクルが数十年単位で続くのだ。それによって山も荒れず、ヒトがその恵みを得られる持続性を保っていく。
その文化を残しているのがこの地域なのである。
庄内で実に信頼できる山菜の卸売業を営む、山菜屋ドットコムの遠藤さんに連れて行ってもらった。この方が生産者の後藤さんだ。
ほれっ カブは雪で洗って泥を落として食べるんだよ、と。
赤い発色は寒さから身を守るためのアントシアニン色素。中の果肉はデンプン質がほんのり甘く糖化している。とはいっても甘い!という感じではありませんよ。
これからアル・ケッチァーノで昼ご飯を食べるんだ、といったら「ほい、これ料理してもらえ!」と藤沢カブをどっさり。
後藤さんありがとう、あのカブがアル・ケッチァーノでこんなに美味しく料理されました。
庄内豚と藤沢カブのロースト、カブのおろし添え。コウタケだろうか、香りのキノコも添えられている。
庄内は豚肉好きの文化圏。そこにカブの取り合わせ、最高だ!
在来作物の関係で訪れて以来久しぶりのこの地域。やっぱり佳い!
山形の在来作物についてはこれを読めばわかります。僕も会員になっている在来作物研究会を支援してあげて下さい。
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