やまけんの出張食い倒れ日記

SIGMA工場潜入の前に、待望のマイクロフォーサーズ用f1.4大口径レンズ30mmf1.4で、庄内の笹巻きを撮る。ボケる!PROシリーズ12-40mmf2.8との描写の違いを観る!

EM10972

山形は庄内の出張二泊三日から帰ってきたら、届いてましたSIGMAのマイクロフォーサーズ/APS-C用の大口径レンズ30mmf1.4!

EM11002

僕が持っているレンズでいうと、nikonのニッコール60mmマクロに似た佇まい。それもそうだ、マイクロフォーサーズだと30mmのレンズはフルサイズ換算で60mmだもんね。ちなみにこのレンズはAPS-Cサイズの一般的なデジカメ用にもつくられている。そちらに装着すると換算45mmの画角になる。どちらにしても標準域の画角となるので、使いやすい。しかも、純正レンズが出している製品とは少し違う画角になるので、重なりがなくて買いやすい。

EM11003

フードをつけるとややあたまでっかちに見えるかもしれないが、これは上から見下ろしの構図で撮っているから。実際に持った感じはそれほどフロントヘビーではない。と言ってるだけじゃ説得力無いので、ほいこんな感じ。

EM11008

小さいでしょ!?マイクロフォーサーズを使う理由がここにある。筐筒は落ち着いたデザインだ。このレンズは同社の三つのレンズカテゴリ、Art、Contemporary、SportsのなかのContemporary(C)に入る。Sportsがスポーツ向きなのは明白なので、残るArtとCはぶっちゃけ価格帯で分けてるんでしょ?と思いがちだが、そうではない。

Artは画質を最優先し、大きさ重さとか価格は関係ない!という思想で創るレンズだ。対してCシリーズは、性能と持ち運びやすさ、価格などのバランスを考慮したもの。だから結果的に価格はArtよりも安価にはなるけれども、単に価格を下げたレンズということではないのだ。

この辺は、山木和人社長自身がCP+で語っているので、その動画をみるといい。

この動画の13分10秒あたりから、「なんでこのレンズがContemporaryなのか」ということを説明している。

ちなみに、カメラ&レンズメーカーの社長自信がこうした場でプレゼンをするというのは他にみたことが無い。ニコンやOLYMPUSもやるべきだよね、なんというか粋に感じてしまう。

ということでContemprraryシリーズのこのレンズは、バランス重視ということはどこをバランスしているのか。まず、f1.4の大口径レンズなのに、そんなに大きくないということは言えるだろう。もちろん、f1.8のレンズに比べれば大きいですよ。例えばOLYMPUSの25mmf1.8と比べるとこんな感じ。

EM11009

EM11011

まあ、大きな差はありますね。f1.8とf1.4の差はこれだけ大きい。とはいえ、このレンズ非常に軽いのだ。実は宅配瓶が到着して受け取ったとき、包みのあまりの小ささと軽さに「えっこれホント?」と思ってしまった。

EM11013

とにかくf1.4ってどんな絵になるの!?というとを一刻も早く識りたかったので、試し撮り。それも、OLYMPUSのPROシリーズである12-40mmf2.8を装着し、慎重に30mmに合わせ(とはいってもちょっとはずれてしまうけど)、最小絞りであるf2.8に合わせる。

被写体は、庄内の産直市場で買ってきた「笹巻き」。いわゆる灰汁いりの汁で炊いたちまきだ。

■比較 12-40mmf2.8 絞りf2.8

EM10965

ピント位置は手前側の笹巻きのたこ糸結び目です。では次にSIGMA30mmを装着し、絞りをおなじf2.8で撮影。

■SIGMA 30mmf1.4 絞りf2.8

EM10969

やっぱりなんか雰囲気が違う、30mmのほうが明るくシャキッと写っているようにみえる。現像はSilkypixで手を加えずにリサイズとアンシャープのみ。おそらくSIGMAのほうが最新のレンズなので、ソフトに情報が反映されていないのかもしれない。けど、やはりズームレンズと単焦点のヌケのよさの違いが明らかにある。OLYMPUSの12-40mmは、マイクロフォーサーズユーザーの誰もが買うべき鉄板レンズだけれども、さすがに単焦点のほうが単一画角の勝負では上ということだ。

では、いよいよf1.4!

■SIGMA 30mmf1.4 絞りf1.4

EM10972

どーんとボケた! 素晴らしい。手前の笹巻きの上部がもうすでにうっすら溶けるようにボケています。背景のテーブルクロスの編み目は完全にみえなくなっている。

ピント位置周辺を拡大してみるとこんな感じ。

EM10971

ピント面、う、薄い!周辺はもうボケている!これがf1.4なのだ、、、慎重にあわせないとボケボケ写真になってしまうことがわかる。それにしても、たこ糸の毛羽立ちなどが繊細に表現されているのは驚き!つまりこのレンズは開放からばっちり使えるということだ。

よく、レンズは開放で撮っちゃダメとかいう教本をよく見かけるけど、それはどうだろうねと思ってしまう。だって、f1.4のレンズを買うのは、f1.4で撮りたいシーンがあるからでしょう。よくニコンの50mmf1.4と50mmf1.8を比較して、f1.8のほうがよく写る!と言って、あたかもf1.4はもういらないって言うような感じの人が居るんだけど、ナンセンスだよね。だってf1.8のレンズでf1.4の絵は得られないんだから。

マイクロフォーサーズは、フルサイズやAPS-Cよりは、同じ画角で撮ったときにボケにくいという性質をもつ。その分、装備を軽快にできるというメリットがある。でもレンズが明るくなればボケだって大きくなる。いよいよマイクロフォーサーズのレンズも、ボケ量を競う時代に入ったと言えるのかもしれない。

ちなみに、出張から帰ってすぐ、消耗した身体に補給したくてササッと作ったカレーを撮影。もちろんf1.4。

EM10991

トップトレーディングが輸入しているシャロレー牛のほほ肉(煮込み料理にベストマッチ!)とビオファームまつきの大根がメイン具材です。具材をリフトすると、これまで得られなかったボケ量がドドーンと。

EM10979

庄内共同ファームの有機大麦を使った麦茶。麦茶ってこんなに甘かったのか!と驚愕。

EM11018

底に沈んだ麦の粒にピント。

これ、間違いなく素晴らしいレンズです。マイクロフォーサーズユーザー(またはソニーのαシリーズユーザー)は買って間違いなしの性能!今日はこれを持ってストリートスナップを撮ろうかな。

EM11013