ということで朝一番で高知に入り、シンポジウムを行いました。上の写真はA2の土佐あかうし。ほんとにA2か!?と思うほどサシが入ってます。最近こういうのが多いんです。そして、消費地では「あかうしは赤身が美味しいって言うから買ったのに、サシが多いじゃん」という料理人や消費者が多いんです。
そういう状況を生産者に理解していただくために開催した会。ぎっちり100人以上が詰めかけてくれました。
肉焼きを担当してくれたのはOGINOの荻野伸也シェフ!
「今回送ってもらったあかうしも、あれ?赤くないじゃん!って感じでサシが入りすぎてました、、、」
と話しておられた。
上は赤坂ヴァッカロッサの渡邊シェフ。 なんと土佐あかうし専門でやっておられたのに、最近になって十勝若牛も扱うようになった。理由はやはり、土佐あかうしらしい味の肉が届かなくなったから。
この日はA2の土佐あかうし、A4の土佐あかうし、A5のオリーブ牛(黒毛和牛)、B2の短角和牛(田村牧場)を食べ比べ。
会場の人達に手を上げてもらったが、一番評価が高かったのがA2の土佐あかうし。やっぱりA4は味がないのだ。ちなみにオリーブ牛も、A4のあかうしよりはスッキリしていた。田村牧場の短角は赤身部分の味わいが実にパワフルで旨かった。
じゃあ、これからどうすればいいんだ、というのは難しいこと。生産者の竹崎さんからは
「いま、肥育農家は子牛を50万円で買っている。そうすると、A2の市場価格だと赤字になってしまう。A3で収支とんとんで利益が出ないくらい。生活していこうと考えるとどうしてもA4以上にならないといかんのです」
という声が。そうなんです、子牛が高いんです。
そうしたらベテラン繁殖農家(子牛農家)の西村さんがすくっと立ち上がって言ってくれた。
「わしら繁殖農家はいまとてもありがたいことに値段が上がっている。わたしが50年農家をやってきて、いまがいちばんの春です。でも、わしらばかりよくてもダメ、肥育農家さんのためにはもっと安くても良い。40万前後の価格がつけばわしらは食べていけるので、その辺になっても大丈夫だ。」
という声があがる。「いまが一番の春」というのは、土佐あかうしの応援をしている身としては、やってきてよかった!と実感する嬉しい瞬間。
ただ、この肥育農家の苦境はそうかんたんに調整できるものではないんですね。流通を担う全農高知に対しても「なんとかせい!」という声があったけれども、もちろん全農高知だけがなんとかできるわけでもない。
でも、この会で初めて消費地での状況がわかったという農家さんがいて、また生産者の状況を初めて理解できた料理人さんがいて、ということがわかったので、このイベントをやって本当によかったと思ったのでありました。
荻野シェフと高知市内の料理人軍団による火入れは完璧。みなさんほんとお疲れ様でした。
おいらも疲れたよ~ これから食事に出るまで、すこし居眠りさせていただきます、、、