ロンドンのオフィス街での金曜日夕刻、パブの前に大きな人だかりができているので「なんだ?」と思ったら、単に店に入りきれない人達が店の前でビールを立ち飲みしている。こういうのがどこにいってもあって、面白い。
さて、一軒くらいはいい店に行こうということで、某ステーキの映画にも高得点で出てくる「ホークスモア」へ。
数店舗あるのだが、セブンダイヤル店というところ。
大店だけれども、繁盛店なので店のWebからオープンテーブルで予約するのが無難。
17時という早めの時間に行ったので、まだそれほど賑わっていなくてよかった。
と思っていると、30分もしないうちに満席に!大人気店ですな。
メニューには各部位の100g単位の価格が載っているが、実際にはこれくらいの重量にカットしたかたまり肉があるよというのが黒板に書かれている。
それが、800gとかからなので、さすがの僕も「うーん、3人(しかも一人は余り食べない嫁)だと厳しいか?」と思って、一人一人用のカットされたステーキをオーダー。
焼けるまで20分程度かかるので、スターターをば。
ロメインレタスのシーザーサラダ。ヨーロッパのロメインはガッチリした食感と風味で、チーズの濃いドレッシングとよく合う。美味しい。
そしてタルタル。
これがまた最高、、、
脂身のない肉のタルタルってやっぱり美味しいです。純粋に肉のうま味を味わえる。これは口に含むとにんまりしてしまう美味しさ。
で、文化遺産的トマトのサラダってのがあったので頼んだけど、これはがっかりだな、、、
普通のトマトサラダでした。
ということで、タルタルをお薦めします。
さて、ステーキだ!まずは400gのリブアイ。
焼き方はミディアムレア。だけど、限りなくミディアムだね。「ブルー(レア)」というとだいたい店員さんが「本気?お薦めしないよ」と言ってくる(笑)そのとおりで、日本の肉とは違うので、ミディアムレアからミディアムのほうが味わいが深くなる気がする。
一口食べて、心がシーーンとなりました。一切の店に充満する歓声が消える。
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なんと美味しい、、、
しっとり落ち着いた熟成加減、筋繊維は太めながら、やわらかにほどけていて、うま味はたっぷり。しかもそのうま味は、コーン中心の濃いものではなくて、健全で後に残らないものだ。芳ばしさもほどよく、毎日食べたい美味しさである。リブアイなので程よく脂ものっていて、その脂にも嫌みが無い。
感動しましたよ。これは美味しい!
こちらはサーロイン。
ご覧の通り、脂はごくごくうすくしかついていない。そして肉は軟らか。
これも美味しい、でもリブアイの複雑なうま味の方がビビッドだった。
こちらはランプのエイジド55日。
うん、ランプだね、という味わい。総合的にリブアイがお薦めですね。
三種食べられたのはよかったけども、実はこれで400g、400g、300gということで1.1キロ。じゃあ、黒板に書いてあるデカイ肉塊でよかったねというのが結論。今度来たらアレを頼もう!
ちなみにこちらでは皿に肉しか置かないので殺風景。サイドディッシュは別に運ばれてきます。
煮て・焼いて・揚げるだったかな?三回調理したフライドポテト。カリサクホッコリで美味しい。小林先生と嫁は大興奮。
チーズマカロニはそのまんま(笑)腹に溜まる。
ソースもインクルードなのでベアルネーズソースやオランデーズソースを頼むが、正直いって必要無い。日本人は塩だけで食べるので十分楽しめると思う。
イギリスの牛はうまい!というのが心のそこからの本音です。もちろん他の店は知らんけど。この店は純粋なアバディーンアンガス農家と契約をして肉をとっているということなので、それを期待してきたわけです。牛の品種は?と訪ねたら、店の女の子から「Our cow」などという、よくわからない答えが返ってきちゃったんだけど、、、(笑)
でも、イギリスのグラスフェッドまたはグラス中心に育てた肉牛の味わいは、日本人には逆に新鮮だろう。サシの入らない肉を柔らかくほどいて焼き上げてくれるステーキハウスで食べれば、本当に美味しい。
何でかというと、やはり穀物肥育の牛とまったく違う落ち着いた味わいなんですね。もちろん穀物肥育の牛肉はバーンとコマーシャルな味と香りで、インパクトが強くて美味しい。例の「ステーキレボリューション」の監督も、NYのピータールーガーで「美味しい!」と唸っているが、これなどはグラス中心に給餌された牛の肉ばかりたべている反動だろう。
ただ、穀物肥育の肉に疲れた舌には、イギリスの牛肉はなんとも優しくまとわりつくような美味しさだ。ホークスモア、評判通りの美味しさだった!また来よう、、、