やまけんの出張食い倒れ日記

瓢亭「四季の日本料理」は佳い本! レシピ云々ではなく、その料理がなんでその季節なのかを感じさせる そしてとどいた瓢亭監修の出汁パック。これがなかなかにイイ!

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昨年の12月に今年の5月ごろに出たのでちょっと遅いのだけれども、これは本当に佳い本です。

瓢亭の若旦那である義弘君とは、専門料理つながりで知り合った。

「瓢亭の義弘さん、赤身肉に興味があるっておっしゃってましたよ」 と担当編集者が言うので、そのしばらく後に開催することになっていた土佐あかうしの料理人向けセミナーにすぐさま呼んだのだ。そうしたら京都から赤坂に駆けつけてくれた。

「あかうし、ホンマに美味しいですね!」と言ってくれたので、ダメ元で高知県の産地に誘ってみたら、なんと休みを取って一泊二日で室戸岬くんだりまで来てくれた!

以来、肉のイベントをやる際にはほぼ必ず彼は足を運んできてくれている。ありがたいことだ。京料理界の中心的役割をはたすべき位置にいながら、気負った様子も見せずにいろんな挑戦をする。いい男である。

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その義弘君から送られてきた新刊、なんとご当主の英一さんのサインも入ってる!

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やっべー 永久保存版だ、、、

京都・瓢亭 四季の日本料理 京都・瓢亭 四季の日本料理
髙橋 英一 髙橋 義弘

NHK出版 2014-12-12
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この本、NHK「きょうの料理」のテキストに合わせて作られたものだそうだが、写真が実にすばらしい!カメラマンさんは瓢亭とのつきあいが長い方だそうで、さすが、料理だけではなくて料理の背景にうまく季節感を入れ、この料理の季節とのマッチングをみせている、と僕は感じたのだ。

たんに美味しい和食ですではなくて、日本料理と銘打つからには四季折々のどこで何が出てくる、ということを含めて考えるものなのだというメッセージを感じた。僕はもらっちゃったけど、良書なのでぜひ手にとっていただきたいと思う。

さて、一緒に同封されていたのがなんと瓢亭監修の出汁パック二種!

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なぬ、こんなの出したか!

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あわせだしは、鰹本枯節などの、節系を多種ミックスしたものになっている。すばらしいことに、裏面表示をみると、いやなもの混じりけ無しである。

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こういう出汁パック商品でよくあるのが、アゴとか節とかの出汁というのを全面に出しながら、うらをみると化学調味料やタンパク加水分解物がバンバン使われているケースが多い。(最近、うま味調味料と言いなさいという運動を起こそうとしているそっち側の人達がいるが、いえいえ化学調味料という言葉を私は使いますよ)

そういう商品をなぜかよくいただいてしまう。「この粉末アゴだし、とっても美味しいの!」とか「すごくいいお出汁が出るパックだよ!」というのだけれども、ゴメン、俺は家では使わない。

そういえばいま百貨店とかに入ってる茅乃舎(かやのや)とかも、「野菜だし」とか「素材の持ち味を引き出すために海塩もほんの少し加えています」なんて書いているくせに、試飲したら野菜の味どころか酵母エキスの味しかしないじゃないか、ビックリしてしまった。酵母エキスの粉末、舐めたことありますか?舐めてみたら「あれ、この味、、、アレに使われてるアノ味そのものじゃん!」と驚きまっせ。酵母エキスをダメとは言わないが、あんな味付けで野菜だしとかうたわないで欲しい。あんなに濃い味になるわけねえっつーの。

けど、この製品には入ってませんね、そんなのが。嬉しいことです。別にそういう食品が身体に悪いというつもりはないけれど、人工的にうま味がつきすぎてしまうことは違った問題に発展すると僕は思っている。

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「野菜だし、けっこう気に入ってるんです。試してみて下さい。」と義弘君にいわれたんだが、これもなるほどのできばえだ。

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グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などを含む野菜素材と昆布で味をつくるのは難しかったらしい。けれどもこれもなかなかのできばえ。このお出汁だけで完結させるのではなくて、なにかの料理にこの出汁を使うという考え方がよいと思う。一番良いのは、さきのあわせだしと野菜だしを両方煮だしてスープに使う、これゴージャスじゃないか?

ということで、しばらくうちの味噌汁に投入してみようと思います。みなさんも店頭でみかけたら買ってみて損はないと思いますぞ。