ということでたったいま配信した最新号で、おそらくだーれも気づいていないうちに静かに振興している「ドライエイジングビーフをJAS規格にしちゃう!?」という思惑が進行しているという話を書きました。この話を書いているソースは現時点では皆無。僕の立場で可能な限り出せる情報をこれから継続的に書いていきます。
農と食のジャーナリストによるメルマガ たべもの最前線
2015年7月29日12号「ドライエージングビーフの栄光と憂鬱 JAS規格成立に向けて動き始めた農水省と業界の思惑」
ここ数年で、ドライエージングビーフ(以後DABと略します)または熟成肉の話題は世間にだいぶ浸透した。本メルマガのリニューアル前にも、2014年6月2日号で「最近はやりの「ドライエージング」「熟成肉」ってなに?」という特集記事を書いている。と思ってよく見たら、この記事はシリーズものにするつもりで、「その1」となっていたのに、その後つづいていない。
申し訳ない、、、
ということで、その2とするにはずいぶん間ができてしまったが、その後のDABを巡る話をしていきたい。
また、新規に会員になっていただいた方は、以前の特集記事を読むことができないはずだ。ということで、特別に「その1」を本メルマガに付録としてつけることにした。もし、DABについての基礎知識があまりない、という方がいたら、後半の「その1」から読んでいただいたほうがいいと思う。
ということでここから先は「その1」を呼んでいただいたという前提で書いていく。
■ドライエージングビーフまたは熟成肉の流行と問題
DABまたは熟成肉というメニューを看板にする店は、2014年から2015年にかけてとても多くなった。まだこの分野での統計がないので正確な数字は分からないが、全国でみれば飲食店の1000店以上は何らかの形で「熟成」というキーワードの付いた肉商品を提供していると思われる。
また、小売店での販売も密やかにスタートしている。大手であるイトーヨーカドーは業界大手の手がけたDABを販売するコーナーを設けた店舗を数店有しているし、首都圏に展開する「いなげや」店頭でも、私が委員をしている日本ドライエージングビーフ普及協会(以後JDBPと略します)の認定を取得した小川畜産のてがけるDAB商品を置くようになった。
しかし、こうした状況を浮かれてみているわけにはいかない問題がいくつかある。大きく分けると、、、
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