こんなこと書いても、タマネギ栽培をしたことがある人にしか理解されないだろうけれども、、、僕は数ある野菜の中でもタマネギが一番好きだ。他の野菜がなくても、タマネギさえあればいい、というくらいに、ほとんどの料理にタマネギを使う。これはうちの母親がいつもタマネギをいろんな料理に入れていたからだと思うが、、、
大学で畑をやっていた頃、もちろん最初の作物にタマネギを植えた。あの時の品種、なんだったっけ、、、思い出せないのが悔やまれる。自分で栽培した玉葱は、牛糞と落ち葉混合堆肥ベースだったせいか小粒なものだったが、ぎゅぎゅっと果肉が引き締まって超絶に旨いものができた。苗の段階ではひょろんとしている細い葱で、定植してからも年を越して3月になるまでは大してドラマチックな展開をみせない。しかし、春先になると一気に地上部も地下部も成長し、鱗片部が肥大していく。この春の肥大期は、ほんとうに興奮してしまうものだ。
で、タマネギの世界で有名な種苗会社といえば香川県の七宝(しっぽう)だ。淡路島をはじめとする名産地でことごとく、七宝の早生品種・中生品種がスタンダードに栽培されている。
先日、仕事で訪れた香川県。ヨーロッパから来日した10人のシェフを連れて肥育農家の牛舎を見せて廻っている時、田んぼのかなたに葱坊主が見えたのだ。
「あれは、アレやで、シッポウの種をとるための葱坊主やで」
えええええええええええええええええええええええええええええっ
あれが七宝の採種圃場なのかよっ
ということで、シェフ達が牛とふれあっている時、僕はそちらに廻ってしまったのである。もちろん、人の圃場なので、立ち入りすることはしない。長めのレンズで外周道路から失礼しました。場所も、なにかあっては困るので書きません。
いやあ、感動しちゃいましたね、マジで。みわたす限り、タマネギが開花している。
通常は農家は種を購入するので、ここまでタマネギを畑に置いておくことがない。僕も、タマネギの種採りをしたことはないので、これは初めての光景だ。
ニラの花を連想する人も居るだろうが、ユリ科植物の花はとても可憐できれいだ。
以前、下仁田ネギの採種したものをみせていただいたことがあるが、この一本の葱坊主に黒い種がかなりの分量、できる。
この広さの圃場が何十枚もあるのだろうから、ものすごい管理になるだろう。
品種が違うのか、ハウス内で採種されるものもある。七宝もたくさんの品種を出しているから、そのコンタミ(混ざること)が起きないようにするにはいろいろと苦労しているはずだ。
ということで、おそらくタマネギ栽培する人以外にはまったく刺さらないであろうエントリで、申し訳ありません(笑)
でも、日頃農家が蒔いている種というのがどこから来るのか、思いを馳せてもらえるとちょっと嬉しい。全ては人の営みの結果なのですよ。