いま、ちょっとヤバイほどに仕事が溜まっていて相当切羽詰まっているのだが、どうしても行っておきたいところがあったので、週末に茨城へ。というのは、今年前半にとりあげた絶品イチゴの生産者である村田農場から「収穫祭があるので、いらっしゃいませんか?」というお誘いを受けたのだ。
「どうせ村田農場いくなら、前から言ってたブルーベリーの坂農苑に連れて行きたいから、早めにおいでよ!」
と、某コンビニのパン工場を営む鳥山さんがたたみかける。実はそのルート、行ってみておきたかったのだ。しかも聞くところによると、京都の瓢亭の高橋義弘君もその日、村田農場に行くという。じゃあ、一緒に行くか?と誘ったら「いいですねえ」と。それに加えて、ドライエイジングビーフのNYツアーにも一緒に行った「格之心R」の千葉ちゃんも「あ、僕も村田農場に肉焼きに行くので、ご一緒しまーす」とのこと。わけのわからんつながりが一つの点に凝縮し、一路茨城の田園風景の中をひた走ることとなったのである。
前々日までは雨が降るという予報もあったのだが、いったいそれ何の間違い?というような天気のもと、つくば駅で集合して鳥山さんの車に。写真は霞ヶ浦の大レンコン地帯。
そこからさらに40分ほどか、茨城は実に大きい!と実感しつつも、坂農苑を訪れる。
この辺の豪農というのは、ちょっと世が世ならば身分が違うんだろうなぁという門構え、家構え。
そしてこの蔵の中に、農作業道具が詰まっているのかと思いきや、、、
そこは坂さんの趣味の部屋!ブルーベリーで満たされていたのである。
この方が、茨城県経済連の専務にまでなった坂さん。僕がお付き合いのあった経済連の人達の上司にあたる人だ。茨城のJA系統の取り組みの話(VFSとか)をちょいとマクラにしつつ、ブルーベリー話を。
坂さんはブルーベリーの圃場(ほじょう)だけでなんと6町歩(ヘクタール)も有している。デカイ!ちなみに1町歩で100m×100m。日本の農家が持つ単純平均面積が2町歩強ですからね。
しかもブルーベリーは、生産する農家は割といるのだけれども、とにかく収穫に手間と人出がかかるので、営利栽培でガッチリうまくいっている事例はそう多くないのである。
「まあ、趣味ですから。趣味は営利をあまり求めないものですので、ホンモノであることを追求してやってます。」
というが、趣味で6町歩はないなぁ(笑)
席に座るなり出していただいたのが、このブルーベリー葉茶。見えにくくてスミマセンが紅茶を淡くしたような茶色。
「ブルーベリーの葉からもそうとうにポリフェノールがしみ出すんですよ。ただ、葉の摘み方と製法を工夫しないと味が出ないんです。」
とのことだが、この茶をひとくち啜った義博君、千葉君が二人で「むっ これはイケル、、、」とうなり「これ買います」と言っていたのを僕は見逃しません。
そんで、うしろのかごに山盛り入ってるブルーベリー。ひとつぶ摘まんで食べようとしたら坂さんが言う。
「ひとつぶじゃ味が分かりませんよ。ブルーベリーはジュース分が少ないので、下に味が出てきにくいんです。ひとつかみ、口に入れて下さい」
マジですか!? じゃあいっちゃいますよとみんな豪快にひとつかみ、口に運ぶ。口中でプチッと弾け、確かに量的には控えめにだが、爽やかな酸味と甘さのジュースが満ちる。加糖しているジュースとは全く違って健全・健康的なやわらかな甘さである。旨い!
それにしても坂さん、お茶にジュースにアイス、お酢ドリンクなど、ブルーベリーで作れそうなものは全てチャレンジしているようで、いろいろ出てくる(笑)
アイスクリーム、余計なものが一切はいっていません。撮らなかったけど、ジュースも一切加糖なし。
「ホンモノじゃなきゃ趣味でやる意味がないからね」
と坂さん、ヤバイほどカッコイイのである!
こちらは、養蜂家でもある鳥山さんが集めた、ブルーベリーの花から採蜜した蜂蜜。
キュッとしたコク、強い甘み、香りも強く美味しい。蜂に砂糖水を吸わせたり、後で火にかけて濃縮したりという、蜂蜜によくある「工夫」を一切していない、ホンモノだ。これは価値が違う!
「じゃあ、畑に行こうか」
ということで、6町歩のブルーベリー圃場へいざ出陣である!
いやー
あまりに広いと、どこをどう撮っていいかわからないんだよなぁ、、、
とにかく一面、ブルーベリーなのです。ちなみに地面には木質の有機物が大量に敷かれている。ブルーベリーは酸性土質が好きらしいが、具体的にはどんな肥培管理をしているのだろう。今度またきかせてもらわねばならないな。
まだ収獲のほんのはじまり時期なので、中生・晩生品種はまったく色づいていないのだが、花が実になりかけている!
実はこの、まだ実が色づいていない段階のものも収獲し、花きとして出荷しているそうなのだが、これがまたいい値段で売れるそうだ。
どこかでみたことあるでしょう?この花とも実ともわからない可憐な植物。ブルーベリーだったんだね!
「早生の品種はもう食べられるものもあるから。」
と連れて行っていただくが、みただけで「これは●●●、こちらは■■■」と特定できるポイントがどこなのかわからない(笑)
ここにはブルーベリーの系統である、ハイブッシュ、ラビットアイ、ローブッシュの系統であわせて130種類も栽培しているのだから!
この品種は「スパルタン」。早生系でまっさきに食べられるようになる品種だそうだ。味は穏やかな甘み、酸味。
充実した実はとても大きい。熟して色づいているものは、親指でこするようにすると簡単にプチッととれる。逆に言えばこすって穫れないものは熟していない。
もはや坂農苑のひとですか?とききたいくらいにポロポロと穫って人に食べさせている鳥山さん。彼がセブンイレブンに並ぶパンを開発する中で、豪勢にも旭のメロンやメロンブルーベリーたっぷりのデニッシュを企画したところから、坂さんとのつきあいが始まったそうだ。
いろいろあるようだが、こちらの木の増やし方は接ぎ木。
瓢亭・高橋義弘、坂さんに教わってブルーベリーを摘む。
坂さんの壮大な趣味。
「6町歩以上の大きさの農園が全国で2つできたときいていますが、まだ足を運べていないんです。」というが、ここまで徹底した取り組みをしているところもすくないだろう。
この日だけで僕ら、ブルーベリー何百グラム食べたか分からない(笑)でもスッキリした食後感、美味しかった!
ブルーベリーはこれからどんどん獲れていきます。産直もやっているし、ブルーベリーの摘み取り体験もできるようだ。ぜひ足を運んでいただきたい。百聞は一見にしかずとはこのことだ!
坂さんありがとうございました!鳥山さん、連れて行ってくれてありがとうね!
■坂農苑のWeb
http://sakanouen.com/