dp3Quattro
先週土曜日のNHKラジオのネタとなったのが、飼料米を多量に給餌したたまご。とりあげたのはトキワ養鶏の「こめたま」だ。ご覧の通り、黄身の色が白いたまご。
改めて言うまでもないけれど、たまごの黄身の色は親鳥が食べた餌の色だ。黄色っぽいのは日本の畜産飼料として海外に依存している輸入コーンの色。牛丼店などで出てくるオレンジ色が濃いものは、カボチャなどカロテン含量の多いものを配合するか、手っ取り早くやるためには真っ赤なパプリカの色素を添加するとすぐにあの色になる。
よくテレビを観ていると、たまごの黄身の色を見た瞬間に「あ、色が濃い。これはいいたまご」というシーンを見かけるが、それは短絡的なのです。黄身の色はあまり関係ない。ただし、パプリカ色素を多量に与えると、そのものの味の影響ですこし甘い黄身の味になるようだが、それが「いいたまごだ」というのもちょっと違うように思う。
飼料米を与えると、黄身の色は淡くなる。全国的に飼料米に補助金が降りるようになったので、畜産の餌にする実験が行われていて、餌に米を配合したたまごが出てくるようになった。しかし、餌全量の7割もの米を与えているたまごはこのトキワ養鶏以外にはあまりない。トキワ養鶏こそは、全国でさきがけて飼料米を与える実験をしてきたパイオニアである。
いま日本の食料自給率はカロリーベースで39%だが、飼料用米を与えていくことで、海外に依存していた穀物飼料を減らし、畜産における自給率を上げていくという方向性がとられようとしている。
「人様がたべるべきお米を家畜に与えるなんて」
と言う人もいるが、その人様が米を食べないのだ。じゃあ米を作らなければいいということになるかというと、一方では「たべものが自給できないのは不安だ」という(社会調査を実施するとかならずそういう結果になる)。最近、農政や農業・農協改革の話題が出るけれども、どうもこの辺を一緒くたにしている人も多いように思うし、一方向に世論を長そうとしている勢力があるようにもみえる。そういうこともあって、リニューアルしたメルマガでは食料自給率の問題を改めて考えている。
とりあえず撮影用に割ったこのたまごを焼いて食べることにする。いただきまーす。