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岩手県の三陸沿岸部にほどちかい一関市・大東町より、佳い食品が送られてきた。
東北の菜種を搾油し、良質な圧搾絞り菜種油をつくる工房地あぶらの小野寺君と、一関地元の豆腐屋さんである小山とうふ店のタッグで産み出された油揚げだ。
と言うことはもちろん、この油揚げを揚げている油は、工房地あぶらの菜種油なのである。
工房地あぶらについては過去、詳細な記事を書いているのでご覧いただきたい。
実はここしばらく日本の圧搾絞り油の工房をできるだけ廻っているのだけれども、工房地あぶらの菜種油は我が家でヘビーローテーションで使う普段使い油である。菜種のよい香りとサラリ感を感じる、大手メーカーのサラダ油のようなブラックボックスのない油だ。
その油で揚げているのだから、これは美味しいでしょう! しかも「モキモキとした食べ応え」というコピーを読むだけで食べたくなる!
かっちょいい箱に、ボリュームのある二枚入り。油揚げというより厚揚げっぽい?
簡単にサッとフライパンで焼き目をつけて、香酸柑橘である新姫果汁とやまろく醤油を書けて食べてみた。
表面はさっくり、そしてほどよく香ばしい香りが立っている!菜種というと匂いがという人もいるが、ここの油は匂いではなく香りであると僕は思う。とくに焙煎した胡麻油の香りが苦手な人にはこちらが断然いいだろう。
食べてみると、内部のとうふがきちんとすべてスポンジ状に泡立っているので、厚揚げではなく油揚げで正解でした。
コレは旨いね!
ちなみに、岩手県には素晴らしきパン屋「粉挽きのゴーシュ」という店がある。そこの名物は、地元のとうふ店の油揚げをメインの具材にした「吾助どん」というバーガー。
実は東北一美味しいパンはコレだと僕は思っている。
この金鬼あげなら、このような存在感のある美味しい料理ができるのではないか、と思いますぞ。あ、でもマネはいけませんからね、オリジナルなものをぜひ創作して欲しい!
小野寺君からの手紙を読みつつ、この製品が佳いと思うもう一つの部分について思いを馳せた。というのは、このナイスな箱・パッケージのデザインにコピーライティングまでやったというデザイナーさんは、工房地あぶらの主力商品「まごどさ」のラベルもデザインした方だそうだ。彼がこの商品についてFacebookでつぶやいていたのをみたのである。
意訳するけど、彼がデザイナーになろうという最初のタイミングで頼まれたのが「まごどさ」のデザインで、その際にデザイン料をタダでとか安くしろ、など一切言わずに、デザイナーとしてまっとうな対価を払ってくれたのが工房地あぶら。きちんとした対価を払うのは当然なんだけど、それをわかってくれる人も少ない。最初のクライアントである工房地あぶらがそうしてくれたので、僕はデザインを続けていられるのです、というものだった。
これをよんで無性に嬉しくなってしまった。佳い食品はだれも傷つけないのだ。
安すぎる商品は時に生産者やメーカーを傷つけるが、それだけではない、たべものはパッケージを作る人や商品を運ぶ流通業者、運送業者さんの生活も守っている。
だから買い手ができることは、それら全てに関わる人々の生活を守るために、正しい価格を払うことなのである。
金鬼あげ、心の底からお薦めです。