高知に一泊して、翌日早朝から伊丹へ移動して仙台へという強行軍の一日目。なかなかに感動的な乳業メーカーと出会う。とはいっても、ずーっと前から飲んでたけどね!
高知空港から高岡郡の佐川町へ。ここ佐川町は、高知県の畜産試験場がある地域なので、これまでに何回も訪れている。そしてここには、地元から圧倒的に支持されている乳業メーカーがある。
吉本乳業というその会社では、なんとたった4人の酪農家の生乳をとって牛乳を製造し、販売している。高知県ではこれまでもこのブログでよく書いてきたように、ひまわり乳業という、全国的に傑出した乳業メーカーがある。ちなみに日本で一番鮮度の高い牛乳製品は、いまのところひまわり乳業の「搾乳日がわかる牛乳」である。これ、名前を変えて関東のダイエーでも手に入るのだが、ダイエーがイオンになっちまったらおそらく無くなるんだろうな、、、といまから心配だ。
さて、そのひまわり乳業も、大手からくらべれば小さい小〜さいメーカーなのだけれども、吉本乳業はそれに輪をかけて小さい。
しかし!
この吉本乳業の製品には、むちゃくちゃなインパクトがある。これをみて欲しい!
「さかわの地乳」 地乳という字は「じちち」と読む。この秀逸なデザインそして商品キャッチは、本ブログを昔から読んでいる人はよく知っているであろう、サコちゃんこと地域デザイナーの迫田司さんの手によるものだ。迫田さんはあの地域デザインの巨匠・梅原真さんのおしかけ弟子になった人である。
このデザイン、最高。そのバリエーションをごらんあれ。
えー、実は撮影しながら、瓶牛乳2本に、紙パック牛乳1ついただきました。僕はどうやら乳糖不耐症ぽいので、牛乳飲みすぎるとお腹がゴロッとなる。はずなんだが、この日はそれほどひどくならない。
っていうか、この吉本牛乳、非常に美味しい!これはパスチャライズか?と裏面をみると、85度で15分間、つまりHTSTである。
「もう大きな鍋をかき混ぜながら殺菌するって感じです。プレート熱交換式ではないので、味の面では大きく違うと思います」
と吉本社長。
そう、僕は牛乳の差別化ポイントは味しかないと思っている。大手が採用し、そして呪縛となっているUHT(超高温殺菌法)だと、どうしてもタンパク質がこげた匂いが牛乳についてしまう。それに慣れてしまった人はいいが、どうしてもその匂いと味がイヤで飲めないという人も存在する(僕のことだ)。
吉本牛乳はサラリとしてこげ臭がまったくせず、ほのかな甘さが心地よい味だ。そう、心地よい味わいなのである。これ重要。
「この辺の小学校では給食が吉本牛乳なので、おそらく他社の牛乳を飲んだらすぐに分かると思いますね」
とのことだが、きっと大手のUHT乳を飲んだ瞬間に「ぎょえっ!」という顔になるであろう。それ、映像に撮りたい!だれかCMつくらんかね?
この吉本乳業がどうやら来年で100周年を迎えるそうだ。何か面白い仕掛けを考える手伝いをして欲しいと言うことだったので、高知県畜産アドバイザーとしてちょっと頭をひねってみたいと思う今日この頃。
それにしても高知には面白い乳業メーカーばかりである、、、