ただいま絶賛出張週刊中、今週は月~金までずーーーーっと出張です。
で、今週号のメルマガ「たべもの最前線」ですが、とうとう書いてます。激安お弁当はどうしてあんなに安いのか!? 大きなテーマなので3回にわたって書く予定。
■安過ぎる弁当商品は消費者に「たべものは安いんだ」と誤解させる元凶
このメルマガ読者のみなさんは、あまり外でコンビニ弁当やスーパーにならぶ弁当を買わない人が多いかもしれない。しかし今、消費が減退する一方で若い世代が食を外食や中食に依存する率が高まっている中、安い弁当商品のニーズは高いままだ。
その弁当の価格がちょっとおかしい。2009年あたりから始まり、すっかり定着した観があるのが「298円弁当」。キリのいい(よく考えると決してキリよくはないが)数字で300円以下で食べられるということで、弁当価格としてはすでに低価格の標準と化しているように思う。
しかし、複数のおかずが入っている米飯弁当と言えば、もともとは500円近くするのが当たり前だったはずだ。よーく胸に手を当てて考えていただきたいのだが、いまから10年前、15年前にそんなに安い弁当があっただろうか?弁当の価格は当時からあまり変わっていないような気がする。それどころか、いまや食材のうち穀物や肉製品は国際的にも値上がりしていて、包材に使う石油製品だって高いままなのに、なんで価格を抑えることができるのだろう?そう疑問に思ったことはないだろうか?
どうしてこんなに安くできるんだろう?そう思っているうちに、比較的まっとうな価格帯の製品を販売していたはずの生協組織の店舗などでも、数年前からそれまでにはない「398円弁当」がみられるようになっている。
さすがに、ここ数ヶ月の間に、世界的な部材高騰のあおりを受けたか、各社とも値上げに踏み切っている。けれども、今回いいチャンスなので各社のお弁当価格を比較してみた。弁当商品として選んだのは「のり弁」である。エリアは東京~埼玉の首都圏である。価格はすべて税抜き表示だ。
・ほっともっと 平日10時~15時の特価270円(それ以外の時間帯は320円)
内容:フライ(おそらく魚)、ちくわのフライ、きんぴら、つけもの、のり、昆布、ごはん・本家かまどや 300円
内容:フライ(おそらく魚)、ちくわのフライ、きんぴら、つけもの、のり、昆布、ごはん・マルエツ 398円
内容:白身フライ、ちくわのフライ、からあげ、卵焼き、きんぴら、つけもの、ごはん、かつおぶし、海苔・ほっかほっか亭 320円
内容:白身フライ、ちくわフライ、きんぴら、つけもの、ごはん、のり、おかか・ローソン 369円
内容:白身フライ、ちくわフライ、コロッケ(牛肉)、からあげ、卵焼き、きんぴら、つけもの、ごはん、おかか、のり・ファミリーマート 369円
内容:白身フライ、コロッケ、ちくわのフライ、からあげ、きんぴら、つけもの、ごはん、おかか、のり、明太子・セブンイレブン 430円
内容:白身フライ、コロッケ、ちくわの磯部揚げ、からあげ、卵焼き、つけもの、ごはんおかか、のり・オリジン弁当(特のり弁) 399円
内容:白身フライ、ちくわ磯部揚げ、からあげ、卵焼き、からあげ、ごはん、のり、昆布 ※(特)でないのり弁は299円これを観ると、やはり全体的に仕入れ価格が上がっているのか、従来は一番安い位置づけだったのり弁も、少しずつ値上げ基調にあるということがわかる。それでもやはり弁当大手であるほっともっとは、時間限定ながら270円を達成している。税を入れれば300円前後、つまり298弁当は健在なのである。
おかしいなあと思うのは、弁当以外の商品を売るために、弁当の価格を会えて休めに設定するということができるであろうコンビニエンスストアよりも、食品スーパーよりも、弁当専門にやっている業者のほうが安い。大量仕入をしていることはもちろんあるだろうが、どうしてこんな価格が成り立つのだろうか。
実はこれまでいろんな取材をしてきたが、様々な食材を集合させて成立する弁当商品の価格には、一言では言い切れないいろんなカラクリがあるというのが実感だ。だから、この価格をみて一概に「ここの業者は安いからオカシイ、あそこは高いからまっとうだ」といいきれないものがある。
ただし、安い弁当商品を販売するための図式というものが存在することは確かだ。今回の弁当特集は数回にわたって、安い弁当がなぜ実現しているのかということを明らかにしたい。
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■食べもの最前線
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