はい、先週にひきつづき、今週号も「農協とは何をしている組織なのか」の集荷・販売事業編です。農協批判をしている人達は、ものすごく一面的な部分を捉えて論を展開している人がおおいのだけれども、どうもその中には「この人、農協が何してるのかよくわかってないんじゃないかな?」という人が多い。
僕も農協は改革していく必要があると思っているけれども、すくなくとも安倍政権下で行われようとしている農協改革に100%「いいね!」と思っているわけではない。
メディアでは農協は「悪い者」「改革しなければならないもの」という前提で報道をしているけれども、そうした先入観は今後の日本の食のために、かならずしもならないと僕は思う。そこで、僕が知る限りの「農協が何をしているのか」ということを伝えることにしたわけです。
実はこの集荷・販売業務編は先週号から引き続き書いているのだけど、メルマガ購読会員になれば過去記事もブロマガWebで読めるので、読みのがしはありません。1ヶ月だけでもいいので、ぜひご購読よろしくおねがいします。
今週号より:
先回のカエシでも達夫さんに書かれてしまったが、やはり農協改革の面倒な話題の前に、この「農協は何をしている組織か」編をやりきってしまうべきだった。とはいえ、後追いだが、農協が何をしているかということが少しおわかりいただけただろうか。
ちなみに「なんかやまけんの書いていることをみると、農協は全然悪いことをしていないようにみえる」という人も多いかもしれないが、もちろん農協が一般的にみて「あまりよくないこと」をやっていることもある。ただ、それがなぜ起きているかを根本から理解するには、まず農協の正の側面をみておかねばならないから、そちらから書いているのだということを理解して欲しい。全てが正しい組織は存在せず、そして全てが悪の組織だって存在しないのである。
さて「集荷・販売事業」を解説しているが、前回の終わりで下記三つを理解すると、農協がなぜあまりオープンに農産物を販売してこなかったかがわかるということを書いた。
1.共選共販という思想
2.代金回収が命
3.市場出荷という鉄板ルート
1.の共選共販という思想・制約があるということと、2.の代金回収への絶対的な不信感があることから、あまりオープンな取引を歓迎しない体質なのだということを書いた。
でも、他産業でもそれは同じ問題と直面しているのであって、農協に限ったことではないだろう。だいいち、農協がそうやってオープンな取引への警戒をしたところで、農協が信頼して商品を販売できる手段があるとは思えない、と思う人も多いはずだ。
、、、実は、あるのだ。農協が絶対の信頼をもって荷物を出荷できる場所が、この日本では法的に確保されているのである。その楽園を「卸売市場」という。
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