今週のたべもの最前線は、佐藤達夫さんによる「おいしさと好き嫌い」。
このメルマガでは、特集記事を達夫さんと僕が交互に書いているのだが、それぞれの記事のあとに「返し」を入れる。つまりもう一方がツッコミを入れるのである。「文中にあったこれってどうなってるの?」とか「それはないんじゃない?」というように、お互いに遠慮無しにツッコミを入れていこうよということが僕たちの了解事項になっている。
で、前回の「おいしさと好き嫌い」で達夫さんが書いていた部分に僕からの疑問を書いた。
6月23日発行・第20号の特集「おいしさと好き嫌い」で、私は「ヒトがおいしく感ずる物」を5つあげた。1:体を構成している物質=たんぱく質、2:活動の源となる高カロリー物質=脂質、3:活動のエネルギーとしてすぐに使える物質=糖質、4:生存のために欠かせない体液を調整する物質=食塩、5:味覚ではないが短時間で食べられる食材=軟らかい物、の5つである。
これは、「ほとんどすべての人が好き」なはずなので、その人の経験等によって違ってくる「好き嫌い」とは根本的に異なることも述べた。
前回、やまけんさんが「素晴らしいツッコミ」を見せた。池上彰さん風に言えば「いい質問ですね~」となる典型だ。それは下記の通り。
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ところで、達夫さんにいつか教えてほしいのだが、「アミノ酸」は人間の三大好きなモノに入らないのだろうか。タンパク質が分解する過程で出てくるアミノ酸によって肉は美味しくなる。僕は牛を屠畜してまだ4日後の、アミノ酸がぜんぜん生成されていない段階のフレッシュすぎる肉を焼いて食べたことがあるが、本当に美味しくなかった。その同じ個体の肉を、40日間熟成したものを食べたら、飛び上がるほどに美味しかった。僕の中ではタンパク質ももちろん美味しいものなのだが、そのタンパク質を美味しいと思わせるものは実はアミノ酸の存在では無いかと思っている。そこの順位というか相関関係を、来週にでも教えていただければありがたい。
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と、いいツッコミだとお褒めいただいたのだが、これに対する回答が、今号ではきっちり語られている。そして話題は、「食品工業がヒトの本能を超越してしまった」というところへ。人体への安全性についての言及は非常に慎重な達夫さんが、人工甘味料などについて実にもっともな懸念を書いておられる。
そういう意味でもぜひ読んで欲しい号である。
■たべもの最前線
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