シグマのDP2Qをここしばらく使っているのだけれども、ライティングして写真を撮ることが多い場合にちょっと困ることがある。プロカメラマンの新藤修一先生も書いておられるけれども、露出シミュレーションが常時オンになってしまっていることだ。
一眼レフカメラについている光学ファインダーは常に光が入って明るく、絞りを小さくしてもファインダー自体は明るいので、どこにピントを合わせるか、構図をどうするかというのは常時確認できる。
しかし液晶モニタで確認するミラーレス機の場合、センサーから入ってくる光を背面液晶に写すわけだが、その際に設定している絞り値で撮った場合の絵を液晶モニタに反映することを露出シミュレーションという。つまり、この絞り値で撮るとこんな明るさになりますよというのを親切に表示してくれるわけだ。液晶モニタならではの機能なのだが、これが常時オンになっていると非常に困る事態がある。それはストロボ光をメインにして撮る場合だ。
上の写真は明るい光で撮影しているが、これはストロボ光であって、発行していないときは蛍光灯を消しているのでかなり暗い。蛍光灯の光とストロボの光は色が違うので、まざると汚くなってしまう。そこで、ストロボ光だけにするのである。しかし、一眼レフの光学ファインダ-なら、その状態でもギリギリ見えてピントも合わせられるのだけれども、DP2Qは親切過ぎて、液晶モニタは完全にブラックアウトした状態になる。
そこでシャッターを半押しすると、一瞬だけ露出シミュレーションが解けて明るくなり、構図とどこにピントが合っているかがわかるのだが、ほんの一瞬でまたブラックアウト。DP2Qはフォーカスポイントが9点しかないため、合わせたいところ(上の写真だとメロンのヘタ)に一回合わせた後、少しカメラを移動させなければ全体が入らない。しかし、ピッとピントがあった一瞬後には暗くなるので、構図は「これくらいかな?」という風にアバウトにしか合わせられない。ということで、この写真を撮るまでにかなり無駄カットを撮ってしまった。
この問題は新藤先生以外にも書いておられるので、もうしばらくするとファームウェアアップグレードで対応してくれるとは思うのだが、、、
DPシリーズはブツ撮りをするためのカメラとしても超優秀なので、ぜひここんとこを忘れないで欲しい。
ちなみに冒頭の写真はF8まで絞っている。下はF5.6まで明けた。
そしてF2.8開放。構図が少しずつ変わっちゃってるのは手持ちで撮っているので前述の通りになるからだ。ごめんなさい。
ここまで開けちゃうと、解像感を楽しむDPらしからぬ描写になるけれども、でも普通にカメラとしての愉しさからいうと、DP2Qになって素直な写真が撮れるようになったような気がする。
それだけに頼みますよシグマさん~!