農協シリーズ第二回目は、前回に引き続いて農協がどんなことをしている組織なのかをじっくりと書いていくつもりだった。しかしこの間に農業と政治の世界で一悶着があった。それはまだ尾を引いていて、どうやら今後の農業と農協の世界に大きな影響を与えていきそうだ。
ということで、政府が検討している「農協改革」がどんなことを言っていて、なぜこのタイミングで仕掛けられたのか、そしてこれをどう解釈すべきかということを解説していきたい。「降ってわいたような」と書いてはいるものの、実は降ってわいたように見えるだけで、周到に準備され、政府から巧妙な段取りをされて出てきた問題でもある。
今回の農協改革を打ちだしてきたのは政府の諮問機関である規制改革会議(議長:草刈隆郎(日本郵船株式会社取締役・相談役))である。規制改革会議とは、内閣総理大臣の諮問を受け、経済構造改革を進めるために改革必要な規制の調査審議を行い、内閣総理大臣に意見を述べること党を主要な任務とした機関だ。
とはいうものの、法的根拠が「内閣府設置法」であるので、内閣の、内閣による、内閣のための機関であると言ってよい。つまり安倍政権の意思をあたかも第三者的に審議しましたといわんために存在している機関である。そこが出した「農協改革」であるということは、安倍政権が「やりたい」と思っていることと受け取るべきだろう。
規制改革会議は昨年7月26日に農業WGを設置し、9月10日に第一回会合を開催。本年4月24日までに15回の会議やヒアリングを重ね、5月14日に「農業改革に関する意見」を公表。この中で提示されている大きなテーマの一つが「農協改革」問題である。
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