今週だけでドライエージングビーフに関する取材が3件。過剰・過熱状態ですな、、、けれども、みながきいてくる、答えにくい質問が「どこで食べられますか?できれば近場で気軽なところがいいんですけど、、、」というもの。 うーん 困ったね。ちゃんとしたものに関してはそんなに選択肢はないんだ。みんな増やそうと努力してるんだけど、、、
飲食店で、前面がガラス張りの小さい冷蔵庫に、表面が乾燥した肉が並んでるようなシーンに出くわすことが多くなったけれども、ちゃんとドライエージングできているケースはとても少ない。そういう店で食べるとおそらく「うーん、よくわかんないけど、不味くはない。心持ち柔らかくなってる気もするし、、、」という感じの、なんとも微妙な感想になるハズだ。つまり、環境や手法はドライエージング技術をまねているけれども、結果的にドライエージングビーフにはなっていないというもの。
だいいち、自分での熟成にトライしている人の多くが、ちゃんとしたドライエージングビーフを食べたことがない(笑)。 僕も仕事でドライエージングに関する話をいろんなところでするけれども、「いまこういう環境でエージングしてるんですけど、間違ってないですか?」と訊きに来るシェフや業者さんの多くに問うのだ。「ちゃんとしたDAB食べたことあります?」すると、驚くほどに多くの人が「実は無いんです、、、どんな味なんだからわからないんで、自分でも不安なんですよ」というのだ。そんなの、どだい無理な話でしょう!?
ただし、ここまでブームが過熱する前に、ドライエージングビーフの定義や基準をもう少し明確に作っておくべきではあった。ということで、日本ドライエージングビーフ普及協会で、この辺の動きをきちんとしていくつもりだ。
それはともかく、牛タンだ。じつは、先々月に「食べる会」を開催した僕の短角和牛ひつじぐもは、山長ミートさんのご尽力で内臓肉もとることができた。そのなかにタンもあった!
日本で流通している牛タンの多くが輸入物で、国産ものは効果で希少なものになる。このタン、売るのはもったいない、自分で食べようと思っていたのだけれども、マルヨシ商事の平井君が「こいつも熟成かけますか?」というので、ぜひぜひと思いドライエージング熟成庫に置いといてもらった。皮付きのままで熟成すると、皮を剥いた状態でベストになるよう熟成が効くらしい。
そんで、皮を剥いた状態で送ってもらったのがこれだ!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ひつじぐもよ、、、この舌が子牛をいとおしそうに舐めて世話するところをいつも観ていました。感無量。いったん肉になってくれたのだから、すべて美味しくいただきますよ!
タンもとの部分を分厚くカットし、仙台の牛タン太助的に厚切りにしたのを焼いて、食べやすいようにカットした。
いやぁ~ ビックリした! すさまじく美味しい!
奥にあるタンもとの三角形の部分は、内部がピンク色だが、ふんわりくにゃりと柔らかくて、極楽の噛み心地。筋張っている部分のザリッとした噛み応えも心地よい。そして、タンも熟成するとうま味が強烈に増すのだな!通常の薄切り牛タンの味わいとは別物です、べつもの。
タン中の部分までは焼いていただき、タン先部分は牛タンカレーにしようと思います。ゴメンね、これはうちの嫁さん以外は誰にも分けないで食べちゃいます。ありがとう、ひつじぐも!