ということで帯広に来ています。満寿屋パンは十勝の老若男女すべてが「子どもの頃から食べてる味」。現在十勝管内に大型店を中心に6店舗展開するベーカリーだ。
特筆すべきは、店頭に並べているパンが100%十勝産小麦でできているということ。地元産の小麦を使っていますという店舗は沢山あるが、50種以上のアイテムすべてが100%というベーカリーは少ないだろう。しかもそれを多店舗展開しているという事例はあまり聴いたことが無い。満寿屋はそんな、日本という国のなかでも極めて貴重なパン屋さんである。
空港について、迎えに来てくれた杉山社長に「はい、やまけんさん用に特別に作ってもらった、具が二倍入った白スパサンド」。と冒頭写真のをもらった。やったーーーーー!
白スパサンドは、社長の母君であられる会長が産みだしたメニューで、細かく刻んだスパゲティとミックスベジタブルを自家製の辛子マヨネーズで和えたものがサンドイッチになっているもの。これがハンパなく旨い!絶妙な食感を生み出す短さにカットされたスパに、やわらかくツンと効く辛子マヨの風味が最高のマッチングである。もちろんこれをサンドしているパンも十勝産小麦100%。あとは中身のスパが十勝産小麦でできたら、自給率ほぼ100%のサンドイッチになるな(笑)
ちなみに、円安の影響で外国産小麦と国産小麦の価格差はかなり縮小してきているという。ただし、ゆめちからというパン用品種が昨年度に急激に増産された結果、入札がおいつかず価格が安くなってしまったため、いろいろと生産者側には今後の国産小麦の生産に関して不安視している人も多いそうだ。
「そういう状況を一掃するためにも、満寿屋が頑張ってパンを売らないといけないんです。」
と力強く語る若き杉山社長。弟さんがナポリでピッツァ修行をしてきたそうで、これから芽室店などを建て替え、本格的なピッツァをやるそうである。実に楽しみだ。
ちなみに先日、ここ十勝で豆や馬鈴薯、小麦を無肥料栽培する折笠さんから事務所に大量に、強力粉のキタノカオリが届いた。どうせならと思って近所のピッツェアリア「イル・タンブレッロ」に「ちょっとこれで生地造ってみてくれない?」ともっていったのだが、電話がかかってきて「ヤマケンさん、あの粉で生地をつくったら、すぐにダレちゃったんですよ。もう一回やり直しさせて下さい」との連絡が。杉山さんにそのことを話したら、ああそれはそうですと言われた。
「国産小麦は外麦に比べて酵素活性が強いので、酵素がデンプンをばしばし切っていってしまうんです。それで糖化が進んじゃいます。それに酵母の餌になるものも多くなるので、発酵もどんどん進むわけです。」
ということで大坪君、今度はイタリアの粉より早めに生地を仕上げた方がいいのかもしれません。という業務連絡でした。
午後から帯広駅前の十勝プラザにて講演です。どなたでも無料で入れますので、帯広周辺の方、どうぞいらっしゃいませ。