北海道の羊蹄山から帰ってすぐの金・土曜日、埼玉県の北西部、群馬との県境にある神川町で開催された食のイベントに参加した。
実はこのイベント、呼ばれてはいたものの、一体どんな人が来るのかはよくわかっていなかった。コーディネーターであるナンシー八須さんはまず神川町に在住のアメリカ人で、英語教師として埼玉に起居していた時期に農家の八須さんと知り合って結婚。三人の子供をもつ主婦であり、サニーサイドアップという子育て教室を開講。スローフード埼玉のリーダーを任ずる人だ。
このナンシーさんが、まだ会ったこともない僕を「ぜひやまけんさんを」と呼んでくれたという。実はフジテレビの「新報道2001」で僕に密着取材してくれたアベちゃんという女性がいまナンシーさんを取材中で、ある時僕の著作をナンシーさんにみせたのだそうだ。それで「この人を呼びましょう!」ということになったとの由。人のつながりは本当に面白いものである。
そして当日、打ち合わせ1時間前に顔合わせをした人達が、実はアメリカの食の世界では非常に有名なアクティビスト達であるということがわかったのである!
左がJune Taylor。みなさんの環境で、もしChromeなどのブラウザでグーグル検索できるならばJuneと入れてみて欲しい、僕の環境では二番目に彼女の名前が表示される!彼女はとても著名なジャム職人で、オーガニック素材をベースにしたジャムを製造販売している人だ。
右側のAglaia Kremeziは、しばらくアメリカで暮らしては板が、元はギリシャ生まれで、いまその故郷であるKEA島に住んでいる。彼女は食のジャーナリストでもあり、そして料理教室などセミナーを開催する料理人でもあるそうだ。
そしてもう一人がCharlie Hallowell。
彼は、かのシェ・パニースでキャリアを積み、10年前に独立してオークランドにピッツァイヨーロというレストランを経営するスーパーシェフだ。
「はいヤマケン、これは僕が仕込んだ自家製ウイスキーの最初のバッチなんだ。ぜひ呑んでくれ」
と貴重なウイスキーをくれた!トウモロコシをベースにしているが、麦類など様々な原料を入れているのだそうで、非常に重厚、肉厚、華美さはなく質実剛健でドカンと爆発する強さを持った美味しいウイスキーだ!
東京からチャーターバスで来てくれたプレスの人達に対するトークセッションで、彼女たちと一緒に「ローカルな、スモールファーマー達を大切にしなければならない理由」について話を交わした。
実に興味深かった。アメリカを拠点にする彼ら彼女らが「アメリカの帝国主義に巻き込まれてはならない」と警鐘を鳴らすのだ。
「アメリカの市場主義経済優先の考え方でいくと、たべものはどんどんおかしくなってしまう。日本にはそうなって欲しくない」
とチャーリーは真剣なまなざしで話してくれた。
短い時間だったが、彼らの口から発せられた言葉をこれからいくつか掲載していきたい。