10月に放映された「夢の扉+」を見てくれたなら、土佐あかうしの価格がかなり上がって、これまで低価格にあえいでいた農家さん達が助かっているという話を覚えていると思う。5年前、土佐あかうしの子牛価格は10万円台まで下がり、繁殖農家(子牛を産んで育て、市場に出荷する農家)の生活が相当に危ぶまれた。みな、土佐あかうしではやっていけないと、泣く泣く価格のとれる黒毛和牛に切り替えたりして、糊口をしのいでいた。
それが、だんだんと土佐あかうしの認知が上がり、その美味しさが評価され、価格が上昇してきたのがここ3年くらい。そして先日の放映では、子牛価格が40万円を超えた!というシーンがクライマックスになっていたわけだ。
それが、この数ヶ月で50万円超えになってしまった、、、
写真は、嶺北(れいほく)市場で開催された昨日の子牛市場で、高知市の農業高校の生徒達が育てた子牛の価格だ。この日の高価格トップ3に入ったこの牛、なんと50万1千円である。いやはやスゴイ価格だ。
もちろん農業高校以外にも子牛価格は軒並み高く、30万円台後半から40万円台後半まで、言い値段がついていた。買参人席でセリボタンを押している人たちが「はぁ〜あんな牛がこの値段かぁ」とため息をついているのが聞こえて、ああ、大変だなぁ、と思ってしまった。
というのは、子牛を育てて出荷する繁殖農家にとっては嬉しいことなのだが、これを仕入れて2年弱かけて太らせる肥育農家にとっては、イニシャルコストが高くなるということなのだ。
肥育農家にとっての二大コスト要因が、子牛の仕入価格と、餌代だ。餌となる飼料穀物はずーーーーーーーっと高留まりしていて、それに子牛価格も1.5〜2倍近くになっているわけだ。しかし、出口である肉の価格はそれほど変わらない(変わってないでしょ?)。だから、もうけが出にくいのだ。
この日、子牛を出品していた繁殖農家さんの口からも「肥育農家はやってけるんやろうか」と心配する声が上がっていたそうだ。本当にその通り、綱渡りである。
セリが終わると、家畜運搬車が競り落とした買参人の牛舎に牛を運ぶ。農高の生徒達が、自分たちが育てた牛の前にいって手を振り、別れを惜しんでいる。いいシーンだ、、、(涙)その気持、わかるぜ。
これが農高の家畜売買の伝票。いい値段つきました。このお金は県の収入になるのだそうです。
このブログに過去登場してくれている、高知のジュリーこと沢田けんじさん、近藤さん伊藤さんもみな、高く売れていた。佳かったと思う、、、
さて昼飯は、高知の「泣く男」公文ちゃんが「今日はガッツリ行きますか!」と連れて行ってくれた「ひばり食堂」。
本当に美空ひばりがこの辺を訪れたのだそうだ。
「ここにきたらカツ丼を食べるのがお約束、、、ああっ!?」
と入り口まで来たときに公文ちゃんが声をあげる。おお、高知県の畜産界の重鎮達が、、、
ということでここのカツ丼。
なるほど〜 カツ二枚のせのボリュームです。
け・ど・ね。
俺にはこれ、普通の盛りだわ。
ということを見越して、実はもう一皿先行して頼んでました。イノシシ肉料理が有名らしくいろいろあったので、シシ肉焼きうどん。
これがまたエライシシ肉の量で、素晴らしい!
しかしこの食堂、次回きたら僕はこれを頼みたい、というのがある。とてもアドバンテストな定食だ。それは、、、
玉子焼き定食!
きっとこの店の玉子焼き、でかいんだろうな〜
なんて思ってたら、後ろのお客さんがまさにそれを頼んでいた!
味噌汁のお椀の縮尺を参考に、大きさを推定してください、、、次はこれだ!
おそらく、日本全国で玉子焼きを一番愛している県民は高知県民だと思うな。どこへいっても惣菜コーナーに玉子焼きの並んでいる確率が高くて、それもすべて白飯を食える味の濃さを誇る玉子焼きばかりなのだ。
夜はひろめ市場で下地を作りつつ、畜産連中と飲み、そしていつもの「なとな」で〆。
高知に二年半住んでおられたという読者さんから、美味しい居酒屋情報を聴いてはいたのだけれども、今回は行けませんでした。次回ぜひに。
写真はすべてE-M1と12-40mmf2.8。素晴らしい!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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