やれやれ、先週あたまからズーッと地方出張が続いて、土日も無かったのでさすがに疲れました。さきほど宮崎県から帰京。土日は休ませて下さい。
写真は、宮崎空港3Fにあるレストラン「コスモス」のチキンなんばんカレー。宮崎空港の「ガンジスカレー」が旨い！という話は何度もしてきたが、直営レストランであるコスモスではガンジスカレーに加えてビーフカレー、トマトカレーなどのバリエーションがある。それに加えて、ビーフカレーのルーをベースに、チキン南蛮を乗せたこのカレーがあるのだが、こいつがマジで旨い。ガンジスカレーはピーナツバターでマイルドになるのだが、このビーフルーは実に大人っぽい欧風の味わいで、チキン南蛮もちゃんとしたものであって、これで780円は安いな。
今回の宮崎は、九州沖縄地域の青年農業者の団体が集まるイベントで、講演してくれという嬉しい依頼があったので、出席してきた。全国農協青年組織協議会、略して全青協（ぜんせいきょう）というのだが、その九州版なので「九青協」という。彼らは毎年大きな大会を持ち回りで開催していて、それが今年は宮崎だったのだ。
これがすげー面白かった。といっても僕は自分の講演以外はほんのちょっとしか酸化していないのだが、農業者版・青年の主張の大会がある。実はこれが全国で地区大会が開催されていて、各地区の優勝者は全国大会に出場するという。
それと、それぞれの所属農協でプロモビデオというか、自分の農協の１分間CMを作って上演するというのがあって、これが実に面白かった！シュールな作風のものや笑っちゃうものなど、けっこうレベルが高いのだ。
この九青協だけでも、所属会員は１３０００人もいる。だったら、一人一万円だせば、１億円のお金が集まる。それでマジで、本当の農業・農村の姿を伝えるCMを製作して、全国ネットで配信したらいいじゃん。またはそれくらいあれば、一回くらいテレビで特番作ってもらう位できるのではないか、と思ってしまった。
いま、TPPに関しても、農政改革にしても、本当に農業・農村のことを識らない人たちの発言によって進められている感がある。一番腹立たしいのは、識りもしないのに「家族農業は古い」とか「地方の農協は体質が古い」などといい、新しい勢力が入れば何もかも上手くいくという根拠のない話をする人たちだ。
ちょうど、昨日発売の週刊モーニングで、人気漫画の島耕作シリーズで、農業ネタが展開されていた。大分県で農業外から新規参入した会社が、2haの大規模ハウスでトマトを作っている。これを視察しながら、大分県庁の企業参入支援をしている人が「将来の日本の農業を変えるヒントがここにあると思います」というシーンで終わっているのだが、いったいこの事例のどこが「日本の将来の農業を変えるヒント」なのかね？と思ってしまった。
というのは、「トマトの生産工場」という言い方をしているけれども、システム自体はオランダから輸入したふつうのヤシ殻養液栽培である。閉鎖系では無く太陽光を普通にとりこむフィルムハウス。この手のシステムはコンピュータで環境制御をするのが当たり前だし、そうしたシステムが日本にこれまで無かったわけでは全然ない。が、これが「将来の、、、ヒント」なのかい？
著者の弘兼さんはやはり、製造業・経済界側からのオリエンを受けてこうした取材をしているんだなぁ、と残念至極に思ってしまった。
僕は現在の、家族農業をベースにした農業はとても尊いものだと思っている。もちろん規模を大きくして効率を追求した農業を展開できる地域・作目なのであれば、それをやればいいさ。また、集落営農組織のように、高齢化が進みすぎて、まとまってやらなければなんともならないという地域もある。けれども、それが「零細な家族経営農業は古い、なくさなければ」というような見方をされるのはちょっとおかしいな、と思うのだ。
そんな思いを持ちながら、講演終了。たくさんの若手農家と友達になれてよかった。
で、帰ってきて明日のブランチパスタのためにミートソースを作った。嫁さんが「こないだのあれ、まったく同じ味のを作って！」と懇願されたので（笑）。
どういうミートソースかというと、まず大地を守る会で毎週とっている、仙台黒豚会の豚肉の超粗挽き（ほんとに粗い）を炒めて脂をだし、みじん切りのニンニクと玉葱、ニンジンを加えてしっとり汗をかかせる。蓋をして蒸し煮状態で、焼き色もつくくらいに火を通したら赤ワインとみりん。そこに味噌を加えてしばし味をなじませ、魚醤とトマトホールを加えて煮込んで出来上がり。
味噌が入ると、ちょっと和風でむちゃくちゃ美味しいミートソースになる。みりんも大事。さ、今日はもう寝ます。明日はなまった身体を動かすぜ！