リストランテ・ミヤモトで至福のランチをいただいている最中に、「あー間にあったぁ~!」と乱入してくる気配アリ。それは、お隣の大分県で郷土料理を広める活動をしている神谷禎恵さん。
■食のコーディネータ―~九州初の調味料マイスター神谷禎恵が食の情報をお伝えします
http://madameyuzu.jp/
彼女のスペシャリテが柚子ごしょう。いまや全国から「柚子ごしょう作りのセミナーに来て!」と呼ばれるお人だ。僕は大分でのシンポジウムに参加した際に会ったのだが、とても強烈なパワーを持ったひとなのだ。
「あのねっ今日すぐそこでセミナーやってたから、できたてを食べてもらえると思って、エプロン姿のまま持ってきたの!」
これが作りたての柚子ごしょう。でもね、いちばんいい条件ではないの。ていうのはね、このセミナーやる時期と柚子のコンディションがいい時期が合わなかったのよ!わたしからすると今日の柚子は19歳くらいの年頃。でもね、私の理想は、18歳くらいの柚子をトウガラシと合わせるっていうのなのよ。だけどねぇ、こればかりはタイミングで仕方がないんだけど、それでも時間が経ったものより全然美味しいと思うから、食べてみて!
カップに入った柚子ごしょうを少しすくって口に入れる。瞬間、香酸柑橘である柚子の青い皮から弾け出している香り成分の粒子が、口から鼻、喉にかけて爆発的に拡散する!
その粒子が粘膜に着いた瞬間、なんともいえない鮮烈な香りが脳内にビビーンと到達する。その超絶スピードに同期して、青トウガラシの強い、直線的な辛さが舌をヅヅーンと刺激する!辛い!でもフルーティー!そして旨い!
いや、これは本当に、鮮烈な体験だ。思わず辛いのになんども匙を出して食べてしまう。うおう辛い!と唸りながら。
「ホントにこれが、一晩置いとくだけで色も変わっちゃうし、残念なことになっちゃうのよ。」
というが、確かにそうなんだろう。いままで、できたてと一回冷やしてからの差が大きいのはベーコンとじゃこ天に尽きると思っていたが、柚子ごしょうもできたてと保存してからの差がすごいということがわかったのである!
この柚子ごしょう、柚子とトウガラシと塩でできているわけだけど、この↓塩で作ったそうだ!
おおお、これは高いだろうに、、、柚子ごしょうをどこまでも極みへもっていこうとする神谷さんなのである。
もちろんけんしんシェフと神谷さんはマブダチ。
実は、今回のあか牛ステーキに添えられたゆずのモスタルダは、神谷さんにヒントを得て作った藻のだそうだ。神谷さんも実食。
あら、美味しい!シェフすごいわーこれ美味しいわよ!
あっそうだ ねえねえ バニラアイス持ってきて、なにも添えなくていいから!アイスだけ。
やまけんさんアイスクリームに柚子こしょうのせてみて!ほんっと美味しいから!
うおうっ
確かにこれは合う! 柚子の香りがアイスに合うのはもちろん、塩気がアイスの甘みを増す。そして、トウガラシの辛みはアイスの脂肪分でマスキングされ、ほどよい刺激になるのだ。
「でしょ~!」
参りましたよ。マダム柚子の称号はダテじゃない。
みんないい顔。ご馳走様でした!
これから定期的に熊本に足を運ぶ用事もあるので、またリピートさせていただきます。いや、ホント美味しかったひととき。宮崎からバスで来た甲斐がありました。