やさい畑 2013年 10月号 [雑誌] 家の光協会 2013-09-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
家のひかり協会が出している「やさい畑」は、家庭菜園家が読む雑誌の中ではナンバーワンの地位をひた走る、隔月誌である。僕にとってはとても大事な雑誌で、というのは、それまで農業専門雑誌に連載をしていた僕が、初めて一般向けの誌面に書くことになったのがこの「やさい畑」だったのである。まあ一般向けとはいっても農業専門的な内容ではあるのだけど。
その時の編集者は、いまやかのdancyuの副編集長になられたカンキさん。日本酒をライフワークにしておられ、醗酵リンク大会を主催する藤田千恵子さんが「そういうテーマなら、ヤマケンがいいんじゃない?」と推薦してくれたのがきっかけだという。お二人に僕は返しきれない恩義があるのだ。
その「やさい畑」だが、ベランダ菜園でも一坪菜園でも、はたまた1畝(せ)以上の立派な畑であっても、野菜栽培の初級~中級者には随分とお得な雑誌だ。一度手にとってもらえればわかるが、これからの時期にまき時を迎える品目多数について、詳細に栽培方法を解説しているのだが、写真とイラスト(これがまたわかりやすい!)をふんだんに使って直感的に理解できる内容になっている。
また、数年前までは慣行農法主体で、化成肥料を使用した解説が多かったが、ここ数年で有機栽培の解説も充実してきたので、全方位的に勉強することができる。
また実験モノが面白くて、例えば前号では菜園におけるエダマメは、直まきしたままがいいのか、ポットで育苗した方がいいのか、ポットから定植する際に根切りをした方がいいのか、というマニアックな実験をしている。ちなみにその結果は、僕からみても意外なものであった......この秋冬野菜をテーマにした最新号では、白菜のずらし蒔きがいつまで大丈夫なのかという実験をしている。
そんで、僕はこの号に二記事書いている。ひとつは連載の「ふるさと野菜指南帳」で、伝統野菜を美味しく食べる取材記事だ。
今号では群馬県が誇る、ネギ好きには堪らない殿様ネギ・下仁田ネギを扱っている。
このぶっくり太った下仁田ネギを、圃場でたき火した中にそのまんま置いて真っ黒に焼く。
頃合いを観て、黒く焦げた皮を剥くと...... どんな世界が拡がっているのかは、誌面をご覧下さいませ。
だが、実は大失敗をしてしまった。取材した小金沢章文さんのご年齢を大きく間違えて記載してしまったのだ!それも5歳も上に......こういう季節モノの連載は一年前に取材しておくのだが、その後の取材メモとごっちゃになってしまったのだと思う。小金沢さんはゲラで気づかなかったと言うが、私の責任。深くこうべを垂れてお詫び申し上げます。
あともう一つは、おそらくこんな企画記事は初めてであろう。イチゴ11品種を同一圃場で同一の条件で栽培し、食べ比べるという記事だ。千葉県の園芸家:飯塚恵子さんの協力を得て、飯塚家の畑に定植して栽培。実はスタート時は15品種を植えたのだが、露地栽培で今年はご存じの通り天候もめちゃくちゃだったため、上手く栽培できない品種もあったのだ。しかもイノシシやキジなどに食害され、もしかすると収穫ゼロかも!?という危機に。
しかし、それを乗り越えて11品種を食べ比べ。同じ条件での栽培ですからね、きっちりと味の違いをジャッジすることができた。個人的には、夏場のどうしても通常品種ができない時期にも生るというのが売りの、四季なり品種がかなり美味しくなっていてビックリ。あとは伝統的な品種が美味しかった。もちろん新品種でも、オリジナルな香りのものが一杯でていて、イチゴ新時代を感じた次第。
さて、話は変わるがこの「やさい畑」、実に誌面デザインが美しく、見やすい。この雑誌のアートディレクションを担当しておられるのが、土屋直久さん率いるデザイン会社「丸屋」だ。あ、いや、今は同じデザイナーである娘さんが社長なのだが、そんで土屋さんの肩書きはどうなったの!?と聴いたら「ボスって呼んでます」ってことだったので(笑)
この土屋さん、実はいま僕が通っているフィットネスジムでばったり会ってビックリしたことがある。そう、東五反田に引っ越してきてわかったのだが、丸屋のオフィスに自転車でわずか6分なのだ。
「じゃーさ、俺も料理が好きでさ。こんど、うちでパーティーやろうよ」
とお誘いいただき、出張から帰ってきて(それもやさい畑の取材)すぐに着替えて丸屋に向かったのである。そしたらすごいコースが出てきてホントにビックリした!
だってまず前菜三種盛りがでるんですよ、前菜。カポナータとタラモサラダと、海鮮サラダ。
ブラウンマッシュルームのアヒージョ。ローズマリーが効いてて旨し。
白身魚のカルパッチョ。タマネギの効いたドレッシングを数日ねかせてあるとのことで、マイルドに効く!
スモークサーモンとジャガイモ、ズッキーニのパスタ。ビアンコだけどしっかりした味わい。なんでかというとちゃーんとアサリでダシをとり、味付けにしているからだ! マ・ジ・で!?
コースの仕上げは若鶏の赤ワイン煮込み。
いや、参りましたよ、マジで美味しかった! この日はやさい畑の編集部のみなさんが訪れたのだが、みな一様にハイテンション(笑) 愉しかった~!
はい、ボスの土屋さんであります。
娘さんにしてデザイナーを継ぐ真郁さんとイケメン息子さん。
そして長年、僕の連載の面倒をみてくれている伊藤さん。いつもありがとうございます!
土屋ボス、本当に素敵なパパであります。だってね、俺が「ワイン以外の酒飲みたいッス」って言ったら、「あー じゃあちょっと作るよ」っていって出てきたのが、、、
こーんなソルティードッグでっせ!?
すばらしきダイニングバー、じゃなかったデザイン事務所。「丸屋」をよろしくお願いいたします。ボス、ご馳走様でした!
あ、やさい畑もぜひご購入くださいませ!
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