上は、静岡県のさの萬さんが仕込んだホルスタインのドライエージングビーフ。これを、カルネヤの高山君がフライパンとグリルで焼き分けてくれたのだが、同じ牛の個体の肉なのに味が全く違うのだ。
グリルは肉に対する熱源の設置面積が少なく、下の熱源から上がってくる熱でじんわりと火が入っていく。
対してフライパンは、底面がすべて熱源になり、ダイレクトに火入れをするため、あたっている部分全体にメイラード反応を生じさせる。
同時に、フライパンの上に漏れ出た脂は酸化していき、その酸化臭をも肉に付着させるのだろう。
食べ比べてみると、明らかにグリル焼きのほうが嫌みがないのである。逆に言えば、シツコサが好きな人は、フライパン焼きのほうが好ましく感じるかもしれない。
ちなみに我が家では、引っ越ししたことでガスオーブンが手に入ったので、フライパン焼き&オーブンをすることが出来る。これだと、表面に焼き目をつけたらあとはオーブンでということができるので、より嬉しい。
それにしても、数年前からの肉ブームの中で、火入れ技術はかなり多様になってきた。最近のトレンドは”油焼き”であろう。使う油の質によっては要らぬ匂いがついてしまうが、均質に熱を伝えるということを考えると、確かに理にかなっている。
火入れ本当に面白い、、、奥の深い世界だ。