ということで、7月5日(金)の夕刻、このブログの10周年イベント第一弾である「鰻を学びつつ鰻を食べる会」を開催!
いま、枯渇の危機を迎えているウナギについて、水産資源の枯渇を抑制しつつ鰻食の文化を守るためには、安価に出回る加工ウナギ商品やファストフード店でのウナギ食をやめ、「鰻専門店でのみ食べる」という方向性がよいのではないか、という趣旨の勉強会をしたわけです。
会場となったのは日本橋いづもや本店。
近くにはこれまた親しくさせていただいている涌井さんがいる名店「大江戸」もある。なぜいづもやを選んだかというと、ここにしかない「鰻の魚醤焼き」というスペシャリテがあるからだ。
■やまけんの出張食い倒れ日記10周年を記念して、今年は数回イベントをやろうと思います。その第一弾! 資源減少中のウナギのことを勉強しながら、鰻専門店できちんとした対価を払ってウナギを食べようの会。日本橋「いづもや」にて、貴重なウナギ魚醤を使った料理を味わいます。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2013/06/10_6.html
それにしても、ブログオフ会は随分久しぶりだ! 京都の焼肉「南山」にて草太郎を食べる会をして以来になるんじゃないかな。今回も集まっていただいてありがとうございました!
いづもや本店の二階大広間に椅子を並べての大入り満員、30名での開催となりました。
まずは10周年の挨拶を少々したのち、若旦那である岩本公宏さんから鰻の現状についてのお話し。その内容についてはまた機会を改めて書くことにしたい。
1時間の座学が終わったら、いよいよ鰻づくしの始まり始まり! 18000円の参加費で、おそらくありえないほどの鰻フルコース! 実はお一人様で3匹分のウナギを食べる勘定に。本当に贅沢な会です。
あ、ちなみにとある番組が密着取材に入っているので、カメラが回っておりました。
今回、30名が全員入れる部屋はないため、4つの部屋に分散。
さてこの料理、いづもや名物の「ガマの穂焼き」だ。
むかしむかし、ウナギを蒲焼きにして食べる前は、蒸し技術も醤油もなく、たんに焼いて出しただけだったろう。ということで再現されたこの料理、筒状の鰻を串に刺して塩で味付けしている。もちろんそれで焼いただけじゃ旨くないはずなのでなんらかの下処理はされているはずなのだが、そこは企業秘密(笑)
これを食べると、鰻が「魚だったんだ!」と再認識できる。蒲焼きの状態は高度に加工されているので、ともすれば魚感がなくなりがちなんだけど、このガマの穂焼きを食べると、魚っぽさがすごいのだ。骨の周りの身肉のこそげ方とか、素晴らしい。
料理を食べつつ、岩本君と僕がかわるがわる、部屋を廻ります。ええ、いちおうオフ会ですからねえ。
さてここから、白焼き→生醤油焼き→いづも焼き(魚醤焼き)の三連戦だ!
これまで数回この魚醤焼きをいただいてきたけれども、魚醤のコンディションも時が経つにつれて塩味のカドが取れ、柔らかい風味になってきた。直前の生醤油の香りが強かったので、相対的にこの日の魚醤焼きはソフト&マイルドに感じられたかもしれない。でも参加者のみなさん、初めての鰻魚醤を愉しんでくれていたようだ。
〆はもちろん鰻重。
この日の鰻重は、通常ウナギ店で使用する、1kgあたり5匹というサイズの鰻ではなく、一回り大きい1kgあたり3匹のウナギを使用している。通常より大きいサイズで脂ののりが強い。この規格はあまり引き合いがないため、入手困難な通常サイズよりも数量的にも融通が利き、なおかつ一匹からとれる量も多いので、使い勝手はよい。
ただし、脂が通常サイズより乗っているので、蒸し時間や焼きを調整する必要がある。いづもやはこのサイズのウナギを一番最初に導入し始めたパイオニアなのだ。
参加者のなかには、お腹いっぱいでこの鰻重まで行き着かない人もいたが、お重はおみやげにできるので、一安心。
ということで、たっぷりと良質で技術の粋をこらしたウナギを食べました。僕は今年はもうあと3回しかウナギを食べないゾと公言したので、あと2回しか残っていない。もちろんその2回も、専門店で食べようと思う。
参加してくださった皆さん、素晴らしいウナギ料理を出してくれたいづもやさん、どうもありがとうございました!10周年記念ブログオフ会はまだ数回やります。どうぞお楽しみに!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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