ずんだ餅といえば、エダマメをすり鉢ですりつぶしたものに砂糖を混ぜ、あまい餡にして餅にからめて食べる、宮城県北部の名物料理だ。僕はこれを高校卒業後、プータローしてる時期に自転車で東北をまわっているときに初めて食べた。場所は宮城ではなく岩手県一関市である。
当時ジャスに夢中だった僕は、一関市の有名なジャズ喫茶「ベイシー」を詣でたのである。その後、駅前に戻ると、帰宅中の女子中学生とかがおかしの買い食いをしている。ほほうと思ってのぞいたらずんだ餅で有名な菓子店の支店だった。そこで食べたずんだ餅の旨かったこと!心の底からビビリマシタネ。枝豆の風味にさわやかな甘さ、餅の滑らかな食感とずんだ餡の相性抜群なこと。
一関市は宮城県との境にあるので、旧伊達藩の食文化ということである。で、仙台に出張に出たのでついでにずんだ餅の取材もした。地元で圧倒的な支持を得ている老舗「エンドー餅店」である。
この、ずんだ色の外観(笑)最高だ。ちなみにエンドー餅店では「づんだ」と表記しているが、これは昔の表記。つまりこっちのほうが由緒正しい。
この日は二種類のずんだ餡を食べさせていただいた。写真の手前は、いまは北海道の大袖の舞という枝豆を使っているスタンダード品。でも、これが今年の後半あたりからは、宮城県産の枝豆に換えていくそうだ。それはイイね!
そして上の写真の奥にある、手前とちょっと緑色の濃さが違うのは、今年の新作ずんだである「秘伝豆」を使ったづんだ餡だ。東北一円で作られている秘伝豆は、青豆なのになぜか茶豆のような香ばしい豆。これをずんだにすると当然ながら香ばしいおいしさになる。
さてこのエンドー餅店でづんだを買って帰る場合、東京に持ち帰るならば「餅とづんだ餡を別に」というオプションがお薦めだ。通常はもう餅にづんだ餡がからんだ状態でパックに入っているのだけれども、それだと時間が経つにつれ、餅にづんだ餡の水分が移ってしまう。そこで、別々にしてパックしてくれるのだ。
そうなるともう一つ嬉しいことがあって、少し加減すればづんだ餡がけっこう余る。それを、ご覧のようにあんパンとかに挟んで食べると極めつけに旨い!
この日は、大地を守る会の桜あんパンがあったので、二つに割って、あんこの部分にづんだ餡をごうせいに挟んでみる。
いやー最高だね!あんことづんだ餡の相性ばっちり。同じような豆なんだし、あたりまえか。これ、お薦めの食べ方です。