■撮影:OLYMPUS OM-D 35mmf3.5Macro
帰ったら我が家に、大量のピーマンが届いていた。それも、しし型とよばれる、シシトウガラシに似た形状の細いピーマンではない。ぶくんと大ぶりで、肩の張った形、ベル型と呼ばれるピーマンだ。というと、パプリカピーマンではないの?と思われるかもしれないがさにあらず。緑ピーマンのベル型品種「ちぐさ」である。
このちぐさピーマン、れっきとした日本の種苗会社が育種開発したものだが、栽培が難しく、1果をならせるためにかかる時間も通常ピーマンの倍近くかかってしまう。そのため営利生産している農家はほとんどいない。
そんなちぐさピーマン「のみ」を栽培している、信念を持った農家が菅原さん一家である。
■撮影:Nikon D700+AF-S24-70mmf2.8
菅原家のことについてはこの過去ログにたっぷり書いてあるので、時間のある方は読んでみて欲しい。
さて大量のちぐさを目の前に嫁さんが作ってくれたのは、ピーマン肉詰め。写真は撮らなかったが、むちゃくちゃ旨かった!ちぐさは通常のピーマンの2.5倍くらい肉厚なので、まったくもって肉に負けない味。噛むと肉汁ではなくてピーマンから染み出るジュースが滴りおちるなんて、ちぐさくらいだろう。
そうそう、肉詰めにした挽肉が、あまり赤く発色していなかったので、さすが!と思ってしまった。なんのことだかワカラナイ人も多いと思うが、通常出回っているピーマンの中には、硝酸態窒素を多く含むものがある。やたら濃い色のがあったらちょっと注意。そういうピーマンを肉詰めにすると、ハムやソーセージを発色させるために亜硝酸塩を使うのと同じようにはたらき、挽肉部分が赤っぽくなるのだ。
しかしこのちぐさピーマンは全然発色しない。つまり、硝酸態窒素をしっかり使い切っているということだ。
菅原さんがちぐさピーマンを栽培するときにこだわっているのが、樹の上で十分に味が乗るまで完熟させるということだ。窒素分が味わいに昇華するまで待っているからこその現象である。
さて、先の過去ログの中でも書いているが、ちぐさを使った料理として一番旨いのは、なにをかくそう「素揚げ」だ。
■撮影:Nikon D700+TAMRON 90mmf2.8 Macro
たんに油で揚げたちぐさが、強烈に旨い。これが食べたくて今晩は、とっておきの風味の佳い米油をたっぷり中華鍋にいれ、ちぐさを縦に三分割しただけの分厚い肉片の外側を鍋肌に沿わせて並べ、バチバチバチと葉でな音をさせながら炒め揚げした。火はかなり強く入れる。おれは、くったりしたピーマンが好きなんだ。生焼けはダメだ。
■OM-D MZD45mmf1.8 f2.2 1/80
旨かったぁ、、、
ピーマンが嫌いという人も、これはほぼ確実に美味しい、というはずだ。ちなみに南国宮崎では、すでにピーマン栽培のシーズンは始まっている(ハウスでね)。あまりに暑くなりすぎると逆に育たない。
まだ美味しいピーマンを食べたことが無いという人は、、、宮崎に飛んで、スーパー「フーデリー」にて買ってみて欲しい。きっと唸ること間違いない。
菅原さん、ごちそうさまでした!