さて、そろそろ甘いものは辛いな、、、と思っていたら、よくドルマ(ピーマンやブドウの葉でご飯などを巻いた煮物)に使うブドウの葉っぱらしきものが売られているのを発見!
ほほう、ここは何屋さん?と思ったら、エリフがいう。
「漬物屋さんよ!」
ああっ 本当だ!なんだこの種類の多さは!?
店内一杯に、漬物にして色のあせた野菜達が並んでいる!それも、一体何種類あるのかわからないほどに、、、じっくり見たわけではないが、トウガラシ類ときゅうりのバリエーションがとても多いようだ。もちろんそれだけではなく、タマネギらしきものやカブ、ビーツなどもあるのだが、、、
うーん、これは一日かけて全部試食したいな、とも思ってしまった。
例によって例のごとく、この店の兄ちゃんも激烈フレンドリー。「食べて見ろ!」とばかりに差し出してくれたのが、キャベツのピクルスだ。
これがまさしく日本で言うピクルス、酢漬けだ。酸味が効いていて美味しい。と、エリフがふふふと笑いながら、「いま美味しいもの呑ませるから、っていってる」という。なになになに?
下の写真の左の方、コップに入った赤いドリンクの写真があって、その下に蛇口があるのがわかるだろう。右の棚にはジョッキやコップが並ぶ。お、ここでは清涼飲料水も売ってるのか?と思いきや、、、
この蛇口からカップに注がれた飲み物を差し出される。
???
ちょっと様子が違うな、、、ちょっと緑色の、白濁した冷たい液体だ。口をつけてビックリ! シュワッとした酸味が口の中に拡がる!しかも塩気の方が強い!
ああああああああああああああああああああああ
これ、ピクルスの漬け汁じゃないか! ビックリ! でも美味しいぞこれ!
ぼくが目を丸くしているのを観てみな笑っている。どうやらトルコではピクルスは、漬けた野菜類を楽しむだけではなく、その漬け汁自体をも楽しむということができるらしい。
これは愉しいぜ、、、
「ヤマケン、辛いの大丈夫か?って訊いてる」
うん、大丈夫、と言うと、さらにオレンジ色の液体が。
口に含むと、ビリッとした辛みが舌先を走る。なるほどこれがトウガラシバージョンか。それにしても店先のドリンクの画を見ただけじゃ、これがピクルス汁だということはわからない!けれども、こんな蛇口のついたサーバーがあるんだから、これはトルコ国内では珍しくもないものなのだろう。
これ、日本でもできないかな!? 日本の漬物と言えばぬか漬け。ぬか床は米ぬかでできている。これをよーく洗って出すひとがほとんどだろうが、僕はちょっとヌカが付着したままで食べるのが好き、だって、塩分に気をつければ、これほど美味しいものはないからね。
同じような理屈で、浅漬けの漬け汁が少し発酵したような液体は、飲み物としても美味しい気がする。
ただし! 日本の浅漬けはもはや「調味液漬け」ともいえるものが多く、化学調味料、タンパク加水分解物、酵母エキスなどが多用されている。素材から出た味ではない。そこが難しいところだね。
「トルコではこういう漬物に化学調味料は?」
「使うわけないでしょ!」
ということである。羨ましいぜトルコの漬物汁文化!
面白かったのは、ピクルスは単なる酢に漬けたものだと思っていたが、どうもこの店で呑んだピクルス液ジュースは、乳酸発酵のような味わいもあったのだ。どうやって仕込んでいるのだろう?次回行くことがあれば、必ず漬物屋さんだけで半日くらいの取材をしたいものだと思ったのである。
さあて、ピクルスやさんからすぐちかく、今度はドネルケバブのロースターを横にしたような感じで、何かを焼いている店に来た。
なんとこれ、羊の腸を巻き付け巻き付け、永遠に巻き付けまくってできた円柱であるとのこと。これをご覧の通り炭火で焼いているのだ。すっげえ!
それ以外にも店のショーケースには肉を薄く削いだものが。
どうやらここは、通常の精肉部位ではない、内臓系の肉類を焼いて食べさせてくれる、いわばモツ焼きやのような店らしい。と、みていたら、すげー! 羊の頭の骨を焼いている!
これはもう脳みその部分をほじくり出して食べるのでしょう。
みていたら、焼けた羊腸の円柱をカットし始めた。
カットしたのをバスンバスンと刻んでいたかと思うと、「ほれ、食ってみろ」と!
パクリ!
、、、、、、、、、、、、、、、、、、
んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんn
これは、すげー好き嫌いがあるだろうなぁ、、、 いや、これ、もう本当に、羊の匂いと、えーといわゆる腸の匂いとですね、、、それらが濃密に濃縮された匂いの塊が、ブワンと口中と鼻腔を支配するのですよ。うーん、一口で「旨い!」といえないあじと香りだぜ、これは、、、
「これね、ホントはパンに野菜とかと一緒に挟んで食べるものなの。それだけで食べるとさすがにね、、、」
と、トルコ人であるエリフも言うくらいだからネ。
けど、そんなお店で料理を待つカップルも。
まじかよー あ、添え物はやっぱりピクルスだね。なるほど、この羊腸のケバブ(?)、料理としての完成形はまた違うのかもしれない。これも次回に持ち越しだな!
さて、ようやくこの長い長いお散歩も終わりに近づいてきた。
海沿いの大通りに出ると、もうすっかり対岸の夜景が綺麗なくらいに日が暮れた。
「最後、この辺の名物のムール貝ピラウを食べましょう!」
ムール貝ピラウって?ピラウというのはピラフのことだ。屋台まで行ってすぐにわかった!
いっぱいにショーケースに並んだムール貝。蒸してあるのかなぁ、と思ったら、、、
この貝をくっと開いてレモンを垂らして手渡してくれた。
ああああああああああああああああああああああああああああああっ!
ムール貝の中にピラフが詰められてるじゃないか!
ぱくりと行くと、このピラフの下にムール貝の肉が仕込んである。これは美味しい! ものによってはムール貝が上の方についてくるのもあり。
やー、これはいいね、、、米が大粒の中粒米なので、ムール貝のスープをたっぷり刷ってくれている。こいつはいいですぜ。
この店はこれが名物で、だれもが寄って買っていくのだそうだ。これは本当にいいね。日本だと、食品衛生がうるさいから、こんな売り方はできないだろうけど、、、
そして、その横で売っていたのが、ぼくがトルコに来て一番食べたかったチーキョフテ!
チーキョフテについては後日詳細を書く。簡単に言えば生肉とクスクスとスパイスを捏ねてキュッと手でおにぎりにしたもの。これを野菜で包んで食す。
ここで食ったチーキョフテは、じつにビリビリッと辛みがあって、美味しい!やー、実はこれをあと10個くらい食いたかった、、、
おっちゃん、チーキョフテをラップサンドの具にうすーく伸ばしている。それにレタスやソースをかけて、巻いてほいっと売っていた。
ここには行列ができていたのだが、その行列に並んでいる若い学生ちゃんの集団が、僕らを観てなんだなんだといいながら、最終的に「あのー、写真一緒に撮っていいですか?」とくる。マジ?おれ、芸能人とかじゃないんだけど?
やっぱりトルコでは日本人は、ただもう日本人であるだけで愛すべき存在だと思ってくれる人が多いようだ。もちろん全員が全員じゃありませんヨ!けどね、普通のトルコ人は日本人に好感を持ってくれている。それは間違いない!
ここまでカルシヤカの街を歩いてきて、いきなり訪問している僕たちに、みんな大歓待をしてくれた。なんかいまでも思い出すとジーンとなるくらい。それも、誰もお金を払ってないのだ。ていうか、みんなそんなの要求しなかった。もちろん、カルシヤカ観光課のみなさんが随行していて、「この人は日本から来た、、、」という紹介をしているからだろう。けど、それだけじゃなく本当にみんなホスピタリティの塊である。
カルシヤカの街に感謝。
けれどもまだ終わらないのである。これだけ街で歩き食いしながら、最後に正式なディナーが待っていたのである、、、(笑)