フジサンケイの記事。内容自体は客観的に書いているけれども、どうもこういう見出しだと、いかにも植物工場のビジネス全体がうまくいっているぞ、という感じに読めてしまうが、、、
■日本GE、宮城に「植物工場」 復興ニーズで進出相次ぐ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00000009-fsi-bus_all
実際には、これら「拡大」させている主体は、10年以上前から植物工場を運営している既存業者か、もしくは植物工場のシステム自体を開発・販売している企業がショールーム的に構築しているものがほとんどである。もちろん記事にあるように外食チェーンが工場建設したりという事例もあるだろうが、農業界全体における「拡大」とはいえない状態だ。
植物工場自体にはメリット・デメリットが存在する。定量・安定というのはメリットになるかもしれないが、原価ががっちり決まっており、一定の価格をとらねばならない植物工場品は、正直言って日本のマーケットでは高い。
日本では露地物・ハウスものの野菜が、生産者や流通業者の再生産価格を無視した価格形成システムのもと、極めて安い価格で流通している。
そして残念ながら、植物工場品のほとんどは、不味い。並べて食べ比べてみればそれはわかる。だから、「見た目重視で味など関係ない」または「飾りであって、食べることを前提としていない」野菜にしかニーズがないというのが本当のところではないだろうか。リーフレタス類がいい例だ。
もちろん、植物工場「ビジネス」を海外に向けて輸出したりということには可能性があると思う。オランダなど先進国を追い抜くことが出来るかどうかはわからないが、、、ただし、東北の被災地を復興させるために植物工場を、というのはどうだろうか。ニーズ(買う人)がいれば事業は成り立つが、植物工場システムを製造・販売する人しか潤わないなんてことにならないように祈るばかりだ。
総合的に見て、お日様と土に勝る農業環境はいまのところないのだ。