奥出雲の地元の言葉は、すげー。そう思ったのは、前日の夜にこの写真のえっちゃんと同じテーブルになり、話をした時だ。なにせ、80%がよく理解できない。どちらかというとあたりの柔らかな、優しい口調で明瞭なんだけれども、よくわからないのだ。同じテーブルにいた島根県の職員さんも「私にもよくわかりません」というくらいだ。
このえっちゃんの田圃が見事なのだ、という。田圃がある地域の水が清冽で、わさびもできているのだという。そのわさびを積みに、朝おいで、ということになって道を上っていくと、とにかく旨い米が穫れることで有名な仁多米の産地が拡がる。さっきまで雪なんか無かったのに積もっているところをみると、冷涼な気候で冷えるときは冷え込む。朝方はもやっていたので、適度な湿気にも恵まれるのだろう。旨い米ができるというのがよくわかる。
そして、えっちゃんの圃場は、とんでもなく凄いパワーにあふれていた。
パワーなんちゃら、といったはやり言葉なんぞ絶対に使いたくないので言わんけど、この地は本当にものすごい磁場だ、と感じる。なにせ車を降りた瞬間、寝不足で調子の悪いのがすっ飛んでしまったような感じで、身体の中にそよ風が吹いているような、清らかな気分になってしまったのだ。
えっちゃんの田圃では、化学合成農薬も化学肥料も使わない。有機のみで米作りをしている。そしてこの地は、たたら鉄の文化があった土地でもある。だから、流れる水や土中に鉄分が多く含まれている、らしい。それがどんな作用をしているのかはわからないけれども、とにかくこの辺は旨い米ができるのだという。
田圃の端っこの方に、豊かに水が染み出てくるところがある。そこに、わさびを植えている。
無造作に抜かれた二年もののわさび、うわっというほどにボリュームがある!
こりゃー旨いでしょう!
それにしても素晴らしい圃場ですね、と言うとえっちゃん「たんぼのおかげなんだよ」と返す。この笑顔が実に力抜けてて素晴らしい。この人の米はまだ食べたことがないけれども、確実に旨いな。
高台に上ると素晴らしい見晴らし。これはバチッと日中シンクロで撮らないとね。
いまのところ、今年最高の一枚、といえるかな。
えっちゃん、こんどゆっくりまた再訪します。どーぞよろしく!