さて、二回ほど「このコンデジすげぇ!」と正体を明かしていなかったカメラがあったんだけど、先日でた週アスに掲載されたので解禁。
富士フィルムのX10です。
いやーもうこのカメラには本当に痺れてしまった。正直な話をすると、オリとニコンのミラーレス機よりも「欲しい!」と思ってしまったくらいだ。
このカメラ、電源スイッチがない。手にして本機で「あれっ?あれっ?」と探してしまった。とうとう見つからず、説明書を開梱して電源スイッチがどこか探すが、、、このカメラにはそういうものは着いていない。レンズのズームリングを回して撮影可能位置にすると、自動的にスイッチが入るのだ。なんだ、そういうことなのね、、、
でも、このズームリング回してスイッチはよくわからなくて、入ったり入らなかったりした。おそらく「ここまで回さないとダメ」とかの位置があるんだろうけど、それを僕が守れてないらしく、うまくオンオフできないことが最後まであった。まあ、でもそれはいいんだ。すっげーよく写るから!
センサーサイズは2/3型。通常のコンデジよりは大きくて、マイクロフォーサーズや1インチサイズのニコンV1よりは小さい。だから最初はそんなに期待してなかったんだけど、かなりぼけるし、出てくる画がとてもいい。センサーの処理ももちろんだけど、レンズがいいんだろう。
そのレンズだけど、レンズ周りには28-112mmと表示してある。これはもちろん35mm版換算の数字であって、実際の焦点距離は7.1mm~28.4mm。けど、使ってる側としては35mm換算値を表示してくれた方がわかりやすいので、これでイイ!と思いました。
F値はF2~F2.8。オリのXZ-1はもっと明るいけれども、このカメラはそれにはこだわらず、全体最適を選んだんだろうなと思った。この写真↓は45mmでF2.5で撮影。
こちらが望遠端の112mm、F2.8。
どちらも実に綺麗な画像。実はこの週アス連載の試用期間中、うっかりRAWの記録をしていなかったので、すべてJPEG撮って出しなんだけど、とくに不足を感じないんだよなぁ。
それと、やっぱりこのカメラは光学式のズームファインダーが着いているというのが特徴だ。
撮影:スタジオATOM 平原氏
望遠域になるにつれて、パララックス(視差)が大きくなってくるから、ちょっと使いづらい。けど、広角側でスナップ撮影するなら使えるし、EVF内蔵のV1と同様、写真撮ってるぜ感が強くなり、満足度高し。
ただ、やっぱりデジタル時代なんだし、何らかの形でのパララックスの解消が欲しいとは思う。
さて、このカメラが「すげぇええええええええええええええええええええ!」と思った、一番のシーン。それは、外部フラッシュをつけての撮影だ。
左側、ボディのホットシューに着いているのが、X10にフィットする大きさの、純正フラッシュだ。これも悪くないんだけども、残念ながら縦方向のバウンスしかできない。対して、右側の大きなフラッシュは、これも純正だけど、デジイチ用に造られているらしく、あきらかにX10には不釣り合いだ。
この外部フラッシュでいえば、ニコン1のシステムが最も先進的だ。というのは、本体から給電して発光し、なおかつ縦横方向へ首を振ることができる、完成度の高いフラッシュがあるのだ。
ただし、専用ホットシューでの接続ということもあって、カメラボディからコード経由で離すことができないのはちょっと残念。本当は、ニコンのデジイチ用のフラッシュであるSB-900やSB-700をワイヤレスで発光させられると最高なんだけどね。
で、富士フィルムX10の場合は、ホットシューが通常のタイプなので、コードで延長することができる。
これは、宮崎県宮崎市が誇る、カメラ好きの間では知る人ぞ知る「よしみカメラ」のTTLストレートケーブルだ。これはなんと5メートルの長さでTTL信号を延長できるコードで、これは本当にスゴイ製品。なぜかというと、キヤノン・ニコン・オリ・ペンタ・富士フィルムそしてリコーなどのカメラに適合するのだ!純正のケーブル使ってる場合じゃありませんよホント。
このコードでX10とフラッシュをつないで、ディフューザー越しに発光させて撮影する。
このセッティングで撮影したのが、何を隠そうこの写真だ。
うーん、ビックリ。ぼけるべきところはぼけ、シャープな部分はがっちりシャープ。ブロアーで吹き飛ばさなかったからレンズの根本についてるホコリまで写ってる。元画像みたらみなさん驚くと思う。A4以上に伸ばした場合にはアラが出るかもしれないけれども、ブログにアップするだけの用途であれば、これでホント十分だと思ってしまった。
ということで、富士フィルムには今後、大注目だね!来年はAPS-Cサイズのミラーレス機も出るそうだけど、これもいきなり上位機から出していくそうなので期待できる。けどね、このX10のラインのほうに、より期待しちゃうね。メーカーに返却するのがもったいないと思う、本当に素晴らしいカメラでした。