やまけんの出張食い倒れ日記

佐渡島の地元民隠れ家的、美味しい焼き鳥「金福」!

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佐渡の夜、ホテル大佐渡にて豪華絢爛な食事をいただいた後、農協のトーゴさんと軽く呑みに。

「先生、実は佐渡でちょっと有名な焼き鳥屋がありましてね。予約できないので入れないことが多い店なんですが、ちょっと遅めなら大丈夫ですから」

そういうところには行くさぁ~! タクシーで近くまでごにょごにょした細い道を行き、「そこの路地裏なんです」ということでさらに小さな小径へ。ご覧の通り、看板に「金福」とあるけれども、やってるんだかやってないんだかわからない薄暗い店!

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ところが引き戸を開けると、、、

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心地よくジャズが流れる、場末感全くなしの空間が広がっている!

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ハーフ&ハーフを頼み、焼き鳥を数本、オーダー表に正の字で本数を記入していく。追加オーダーは口頭でOKとのこと。串はほぼ210円程度。

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電熱器ではなく炭火です。この一本一本の串がデカイ!

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中間にタマネギ、根本に長ネギ。「関東と関西の両方をもらったんです」と店主さん。

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佐渡には養鶏をする農家はいなくなってしまったそうだ。価格競争のはてに、肉鶏も採卵鶏もどちらも小規模だと採算が合わなくなってしまったのだ。だから島外から毎朝の便で仕入れているのだろう。佐渡には、JAへ出荷する養鶏農家は無くなってしまったようだが、個人的に採卵鶏や肉鶏を飼っている個人農家がいるそうだ。そうしたところから金福は仕入れているそうだ。(この部分、後日ご主人からご指摘あり)肉質からいってブロイラーではなく銘柄鳥だと思う。皮が特徴的に分厚くてしっかりしていたので、若鶏ではないだろう。肉質もしっかりして、地鶏レベルの旨みはなかったものの、若鶏の45日以上は飼っているであろう味わいだった。

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「背肝」、レバーの脇についてる部分。実に旨し!タレも水飴使ってない、しゃっきりくどさのない、ちょうどよいお味。

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この日、レバーは残念なことになし!うわーん やっぱり混んでも1クール目に座った方がいいことあるんだなと思う。つくねはずっしり大きく重い!一串210円は安いなこりゃ。

それと、この店は仕掛け串ものがうまい。豚バラ肉でトマトを巻いたのを、ニンニクの芽を巻いた「にんめ焼き」が実に最高。

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ハラペーニョタバスコをひとしずくずつ落として食べるのが最高!

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ネーム入りの皿は、佐渡の焼き物である無名異焼きの陶芸家に作ってもらっているという、味のあるものだ。

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油揚げのチーズ巻きと、油揚げに納豆を仕込んだ巾着焼き。

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チーズがとろりとろけて、ああっ落ちるよっというところで絶妙な返しが(笑)

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この油揚げ、いい菜種油を使っているようで、実に快い油の風味。それが炭火で炙られてひきたてられる。チーズは地元・佐渡チーズのものだろうか、クセ無く美味しい。

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ひきわり納豆も島内産。いいですね、いちいち断ってないが美味しいものが出てくる。

 

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農協のトーゴさんは、なんと北海道の酪農学園大学で酪農を学んだ人だが、実家の佐渡に帰ってきてJAに就職。彼曰く、佐渡の人間は新潟県の一部とはあまり思っていない。佐渡は佐渡でかなり食文化もなにもかも独立した文化であるとのこと。たしかに、金山銀山があるので、経済的にも特区だっただろうからなぁ。

作物も、名高いコメはもちろん、島内でリンゴとミカンができてしまうという恐ろしく豊かな場所。そんなのきいたことないわ。だからみなあまり困ってない。それがこれから問題になってくるかもしれない。

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終盤、他のお客さんが頼んでた煮込みが旨そうなのでお願いする。

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大根と、これは牛?豚?肉の煮込みだ。ぎとぎとしてない、上品なコンソメ様の煮込み。これは実にいいね!

すっかり楽しく話し込んで、気づいたらトーゴ家のシベリアンハスキー、レナちゃんが迎えに来た!

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この子が決して吠えない、可愛い子。おーよしよし

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存外に楽しい佐渡の一夜だったのでありました。金福にはまた行きたいな!