やまけんの出張食い倒れ日記

やっっばい旨さ発見! 伊勢うどんにもいろいろあるのだ。「つたや」のつゆだくだく伊勢うどんを味わいつつ、自家製麺のラーメンの美味しさにのけぞったのだ!

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蓮台寺柿を味わった後、昼食。柿の葉そばがいいか、伊勢うどんが佳いかと問われて、しばし悩む。柿の葉そばって、むかしから食べてるのと尋ねると、全くあたらしいものだということ。それじゃあ、昔から連綿と続く食文化に触れた方がいい。

ということで、前回にひきつづき伊勢うどんを!くねくねと細く曲がりくねった路地裏を通り、かなりそそる店構えの「つたや」さんへ。

 

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もうね、ここが最高。土間に5卓、小上がりに2卓、大衆食堂のような感じだが、伊勢うどんのお店だ。古くからやっているらしい。

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おかあちゃんが実にふくぶくしいお顔で、にんまり笑った顔がずーっと続いている。そんで、この店のオリジナルは「焼豚伊勢うどん」で、これはもうこの店にしかないんや、旨いんよと強力に薦めてくるんだけど、こちらからすれば伊勢うどんは素うどんが本来であって、焼き豚はちょっとなぁ、という感じ、、、

それよりも卵伊勢うどんというのがあって、それは月見とは違って熱々の麺に生卵を絡め、そこにつゆを入れるというカルボナーラ風らしい。そっちのほうがそそられる!

ということで、お願いしました。

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おおっ マジ!? 何に驚いたかというと、つゆが多い! 伊勢うどんは、濃ゆいたまり醤油のタレがどんぶりの下の方に溜まってて、それにふくよかに柔らかなうどんを絡めて食べるもんだと認識していた。それは伊勢育ちのH女史も同じ。しかし、ここの伊勢うどん、汁が潤沢である!

これがですね、美味しいんです。やはりたまり醤油感は薄らいで、それほど濃くないつけ汁なんだけど、間違いなく伊勢うどんのDNAを感じる濃厚な風味。うどん麺はそれほどブワブワではなく、一般のうどんをやや湯だめしすぎたかな?という感じのソフトさ。しかし、写真でわかってもらえるであろう、半熟状態になった卵が絡んだのが実に佳いのです。これは月見より断然こちらだね。

それと、カツ丼もお願いしております。

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食べて見て驚いたのだけど、ここのカツ丼はカツと卵が分離式だ。というのは、一枚のカツを一口大に切ったのをご飯にのせ、どんぶり鍋でタマネギを甘辛く煮て卵でとじたのをカツの上からとろんとかぶせるという方式。関東では通常、どんぶり鍋でカツを煮て衣に味をしみこますが、関西ではこういうスタイル、けっこうありますね。分離式でもしっかりカツに味がまとわりつくような甘辛度合いでこれもまた美味しゅうございました。

ちなみに我々は卑怯にも、自分らは食べないけど、焼豚伊勢うどんが気にかかってはおりました。そこで男子Nクンに引き受けてもらったわけです。

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そういえば感想をきくの忘れてた(笑) きっと旨かったのでしょう。それにしても焼豚もちゃんと作ってる。それで普通の伊勢うどんのたった150円増しである。この店、実に素晴らしい。

ふくふくしたお母ちゃんに「いやー旨いねこの店! うどんは自家製なんですか?」と尋ねたら、にこにこしながら「うちはね、ぜーんぶ手造り!うどんも、そばも、ラーメンも、焼豚も!」という。

なに?

ラーメンも自家製麺なのか!?

実は気になっていたのだ。周りのお客さん(常連)たちがラーメン頼む率、非常に高し。観光客は伊勢うどん、地元民はラーメンという図式か!?

そういうわけなら頼まなければなるまい。だいたい、地方で長らくやってる食堂のラーメンは旨いものなのだ。

、、、その予感は、大当たりであった!

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ここしばらく食べたラーメンの中で、ダントツ美味しかった!

麺はどちらかというと和歌山ラーメンに似たストレート麺。具材もじつに純和風。しかし驚いたのはそのスープだ。見た目はごくオーソドックスな鶏ガラベースで化学調味料で味を調えた感じだろうと見える。しかしそれは全く違ったのだ!

一口スープを飲んでみて、うおっと驚くほどに魚介の香りが濃い。それも、東京でいやらしいほどに魚粉の臭いがするような魚介っぽさではなくて、うどん屋がしっかりダシを取ってますという節の香り。それに鶏だけじゃなく豚骨かなにか、けっこう強めの動物性のスープを感じる。なんにせよ、実に押し出しの強い味だ。それが、実にきれいな世界観にまとまっている。

麺は、主張しすぎない実に端麗なあじわい。伸びにくい印象で、最後までコシを楽しむことができた。具材のかまぼこもまっとうなものだし、焼豚はおかみさんが誇るだけあって、これもしっかりした味わい。

いや、素晴らしいね。ちょっと感動しちゃった。

僕の食い倒れ日記にはあまりラーメンが登場することがない。それは、最近多い、ごちゃごちゃした味のラーメンが嫌いだからであり、あまり書きたくなるものに出会ってないからだ。

でも、実は地方に行くと僕はラーメンをよく食べている。それもできれば、昔から続いている大衆食堂的な店がまえのところがいい。地方で長く営業している店は、やはりそれだけの理由がある美味しさを出しているところが多い。ラーメンもまたしかりで、専門店より美味しいラーメンを出す食堂的な店が多々あるのだ。

この伊勢うどん「つたや」もその一つだな。美味しかった!またここはいきます。いろいろ食ってみたい。