さて、ハワイで朝食というとかなりいろいろな選択肢があるのだけれども、今回のキモの一つがこれ。パンケーキだ。日本ではパンケーキではなくホットケーキが一般的だけれども、アメリカ人はパンケーキ。どうやら中身もちょっと違う。まずかならずしも甘いものということではなく、その上に目玉焼きやベーコン乗せて食べたりもするらしい。とはいっても甘いトッピングが一般的みたいだけれど、そのボリュームがすごい!日本なら、小さくて薄いパンケーキ数枚が厳かに皿にのってくるようなところを、こちらでは信じられないボリュームで来たりするのだ。
ハワイでパンケーキが有名な店、、、といえば、実はもうここしかない。表題にある「Eggs’n Things」で、これ、読み方がすげー難しい。最初、ぼくは一平寿司の村岡さんに
「エグズンスィングスがさぁ」
と言われて、一体なんて言ったんだか聞き取れなかった。
「え? エグザイル? なんすかぁ!?」
と間の抜けた反応をしちまった(笑)
発音としては「エグズン・スィングス」という感じか!? メンドイので「エグズ」と略して話すことにした。この店、超人気店で、朝6時半の開店時からすさまじく人が並ぶ!
二階建ての商業施設の、二階フロアがぶち抜きでエグズの店舗になっている。一階には他のテナントも入っていて、写真中央のエグズの看板真下が、エグズの受付になっている。ここにいる係の人に声をかけて自分の名前と人数を記入し、ページャーと呼ばれるポケベルみたいなのを渡される。自分の番が来たらそれが鳴るか、または大きな声で「やまもとさーん!」と呼ばれるという算段だ。
幸いなことに、日本人観光客が客の数割を占めているせいか、日本語ができるアメリカ人または日本人スタッフが対応してくれる。
それにしても尋常じゃない混み方だ。9時くらいに行くともう40分以上の待ち。そうまでしてここで食べたいと思わせる魅力は一体何なのだろう?
さて順番が来て我々も入れていただく。二階に上がると、ドワッと蒸せるようなひといきれ。活気に満ちているのは、落ち着いた夕食ではなく、これから行動するための朝食という時間帯だからだろうか。
日本語のメニューもきっちりとしている。
この店によくきている村岡さんのはからいで、オススメ料理をがんがんだしていただくことになった。パンケーキはプレーンのものにストロベリーホイップのせと、マカデミアナッツパンケーキの二種。アヒ(カジキマグロ)のステーキをプレーンとケイジャンスパイスバージョン。チーズオムレツにワッフル、クレープも。でも、そのオーダーを聴いていた日系人のウェイターさんが日本語でひとこと。
「Oh, I think ぜったいたべきれないよ!(笑)」
マジ?こちら5人だけど、、、 というのは甘かった!
なんとここのパンケーキ、5枚のせがノーマルサイズなのだ!
これ、広角レンズで撮ってるからわりと控えめに見えるけれども、ドッカーンとデカイ皿だからね!
うわさのパンケーキ、ホイップクリームがどんどん溶けていっちゃうのだけれども、実にうまそうである。
正直、日本人なら一人2枚で腹一杯だな(笑)
テーブル上にはシロップが三種。メイプルシロップにココナツフレーバー、トロピカルフレーバーがあるのだけど、プレーンで一口いただく。あたたかい生地はふわふわと言うよりもさっくりとしていて、口当たりがいい。けれども中心部が生っぽいなんてことはない。なんだか涼やかな独特の風味があって、小麦の香りがなんとも心地よい。ホイップクリームはローファットタイプなのか、実に軽い感じなのでそれほど邪魔にならない。
うん、美味しい! リゾートホテルのコンチネンタルビュッフェでパンケーキを食べたことは多々あるが、専門店のそれは全く別物だ。実に上質に美味しいものなんだな、と初めて思った。
こちらはマカデミアナッツ入りのパンケーキ。やっぱり5枚(笑)
生地の中にナッツが入っていてクリスピー&ナッティーだ。
これも正直、シロップかけずにプレーンで食べるのが美味しいな。そのほうが生地の風味がよくわかる。そんなことをいうのは日本人だけなんだろうけどね。
さて、見回してみるとローカルハワイアンやアメリカ人らしきひとたちは、このパンケーキを一人一皿(つまり五枚!)とって、それに一皿卵料理などをとってシェアするというオーダーをしているようだ。すげーなー(笑)
われわれも負けずに食うわけだが、この店、パンケーキ以外の料理がまた美味しい!
感動しちゃったのはオムレツ。店名が「eggs'n」とあるように、卵料理の店なのである。で、ハワイの卵はなぜかとても美味しい! オムレツ自体は日本の洋食店で出てくるようなフライパンの妙技によるものではなくて、半分にパタンと折っただけのシンプルなものだけど、折り目にはチーズが挟まれていて、舌にはカナディアンベーコンとハッシュドポテトが敷いてある。小さなカップに入ったサルサソースをつけて卵を食べると、日本の無味無臭の卵よりもきちんと「卵です!」と主張してくるようなあじわいと食感だ。
しかもどの料理を頼んでも、「○○&Two eggs」のように、卵オプションを着けるのが普通だ。たとえばアヒのステーキには目玉焼きが。
この目玉焼きがまた実に美味しい。食材の仕事をしている人間がこんなふうに書くのも変な話なのだけども、僕は日本の卵の目玉焼きよりも味わいの深さが二段ほどあると感じてしまった。君の色もへんなオレンジ色素を加えてないようで、自然な淡いレモンイエローだ。餌に何を与えているのか、実に気になる。
ちなみにアヒのステーキも美味しいのだけれども、やっぱりカジキマグロはすこし単調。だから、このボリュームのアヒを食べきるために、サルサソースやハッシュポテト、卵というトッピングがあるわけだと思った。
パイナップルをトッピングしたワッフルも頼んだんだけど、これがまたデカイから困った。
んでもってこちらはクレープにフレンチトースト。どちらも日本で出会う味とは全く違う!クレープも、すごく甘いのを想像していたけれども、そんなことはない。生地はもっちり、少し塩がきいているのか、クリームとの相性ばっちり。
フレンチトーストはわりとハードな感じに焼き上がっている。これまた大量のクリーム攻撃!しかもバナナチョコチップがちりばめられている!でも女性陣には実に好評だ。
もくもくと食べ続けるが、男性陣がことごとく「もうダメ!」と音を上げる中、最後まで「あらこれおいしい!」と食べ続けていたのが鈴木夫人だ。
やっぱりこういうスイーティー中心な食卓は、女性のパワーに頼るに限る。
いやー 朝から超満腹!実においしゅうございました。パワーブレックファストというけれども、本当に美味しいね!
ところで、このEggs'nThingsという店が、日本の原宿にもあるらしい。僕はまだいったことがない。同じ名前、同じブランドなので同じ味のパンケーキが出るものと皆思っているだろう。原宿店も行列ができるほどの人気店だそうだ。
でも、原宿店の味はこのオリジナルの味と全く違うそうだ。これは又聞きだけれども、日本法人は原宿店オープンに際し、この店の味とは全く違うパンケーキミックスを採用し、別のものを提供しているそうだ。Eggsの創始者がわざわざ自費で日本に飛び、原宿店でパンケーキを食べたらしい。そして、あまりの違いに帰国後、情けなくて泣いたそうだ。
「あれは私たちのEggsのパンケーキではない、、、」
と。本当であれば、ちょっと後ろめたい話だ。今度、原宿店にいって確認してみたいと思う。
と、どうも苦い話もあるが、ハワイ本店のEggsは実に最高! この冬にはワイキキに二号店もできるという。そっちにも是非行ってみたいものだ。