今回、札幌にしばらく滞在した理由はいろいろあるのだけれども、土・日に「北大マルシェ」というイベントが、北大の農学部キャンパスで開催されたのを観に行くということもあった。お世話になっているところがいろいろと出てくるのだ。
その中でも重要なのが、以前僕が感動して二度も訪れた、北大が所有する実験牧場の長である秦先生との再開。北大マルシェでは彼の育てた短角牛を煮込んだシチューが出るのだ。
それを料理するのは、先般の蝦夷鹿サミットを主催した、ジビエ専門精肉店であるエレゾ・マルシェ・ジャポンの佐々木君。
どうせなら、飯食おうよということに。メンバーは彼ら二人に加えて、先日NYにドライエージングビーフ視察にいった際にご一緒した、北海道の精肉業界では非常に歴史があり有名な大金(おおがね)畜産の大金社長。
実は北大ブランドのハム・ソーセージも大金さんのところが手がけている。
そして、エレゾの若手24歳、料理人出身の金子君だ。
場所は、エレゾの肉を仕入れてくれているという「ラ・ブランシュール」。しばらくまえまで札幌のコート・ドールに居た中本さんがオーナーシェフとして開いた店だ。
結論からいうけど、素晴らしいしレベルが高い!
蝦夷豚は、帯広で放牧飼育されている豚なのだけれども、牧草や配合飼料ではなく野菜くずだけで育っている。だから、あまり成長率がよくなくて、出荷体重になるまでに350日以上かかってしまう。けれども通常の200日未満で出荷する豚よりもずいぶんと肉の熟度が深くなり、旨みが増している。ただたんに長く飼えば美味しくなるというわけではないので、ここはなかなか興味深い養豚をしているわけだ。だから、このように加工されても深みのある味で美味しい。
これはさすがに蝦夷豚の血ではないけど、ネットリ濃厚でいいスターター。添え物は根セロリのピュレだ。
■キンキのポワレ
酸味を利かせたバターベースのソースが美味しゅうございました。
さてメインだ!
■蝦夷豚の肩ロースとソーセージ
こいつが、全員寡黙になってしまうほどの美味しさ。
肉の熟度も深いが、焼きの加減が最高で、生々しくなくしっかり旨みが最大化されるように加熱されている。蝦夷豚は肉の部分の旨さももちろん、脂にコクがあって、なおかつスッと切れる適度な融点の低さを持っている。これは最高だ、、、
ドライエージングの話や目指す食の世界の議論などで静かに盛り上がる。この日、大金さんは朝から相当なキロ数を移動してこられたので、相当疲れていたと思うのだが、おつきあいいただいてありがとうございました!
それにしてもこの店、美味しいなぁ、、、円山公園の周りにはいい店が多いね。「モリエール」も美味しかったけれども、ここも素敵だ。こんど、もっとがっつり食いたいと思う。
中本シェフ、ありがとうございました!
■ラ・ブランシュール
〒064-0821
北海道札幌市中央区北1条西28-2
011-621-0929