やまけんの出張食い倒れ日記

僕は前原を支持しない。震災復興対策のあとは、TPPの亡霊がまた浮上するはずだから。第一次産業を巡ってこんなに問題が起きている。

いくつかの情報ソースを書いておくので、ぜひよんでいただきたい。まずはこちら。

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http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2011/201109.htm

農文協という出版社がある。農山漁村文化協会というのが正式名称で、1940年から農林水産漁業に関する書籍の出版をしてきた社団法人だ。書店で「現代農業」という小さく分厚い雑誌を観たことがある人も多いだろう。この雑誌、農文協の新入社員がスーパーカブに乗って農村を走り回り、営業することで有名だ。内容は、言ってみれば農業界の少年ジャンプ。あるページで有機栽培のワンポイントアドバイスがあると思ったら、他のページではぴしゃっと効かせる農薬の使い方みたいなのが同時に乗っているような、百貨店的内容だ。

僕は農文協の雑誌に原稿を書いたことはないが、先日とうとう名物編集者である甲斐さんに頼まれ、TPPに関する原稿を書いた。

 

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http://kikanchiiki.net/contents/?p=624

入稿してホッとしていたところに震災があった。そのため、おそらくこの冊子はそれほど注目されていないだろう。しかし、いままさに再度、TPPに関する驚異が浮上しつつある。

民主党代表選に向けて前原氏出馬が取り沙汰されているが、全く支持できない。といって他に支持者がいるかどうかというところもあるのだけれども、前原氏だけはダメだ。彼が首相となった暁には、どんな手を使ってでもTPP参加のための国内調整を行い、オバマ政権への手土産とするだろう。なんといっても「GDPたった1.5%の第一次産業のために他の産業が犠牲になっているのではないか」と発言したその人なのだから。

私は農業がいまのままでよい、などとは思わない。しかし、経団連や、そのお先棒を担ぐ日経新聞などが訳知り顔で垂れ流す 「大規模化を進めれば」「株式会社の新規参入と土地取得ができるようになれば」というのは全くの的外れであると考える。第一次産業の問題はそこに携わる側の問題ではなく、それを取り巻く産業構造の問題なのである。食品の価格をどのようにデザインし、消費者負担と国の負担のスキームを決めるべきかという問題なのである。これを一から作り直すのには非常に時間と調整が必要だ。

そこにTPP推進という、降ってわいたような話が出てくるのはあまりにもオカシイ。日本が享受できるメリットがほとんど明確になっていない(これだけの時間が経過しているのに!)のにも関わらず、TPP推進の声はいきなり沸いてくるはずだ。

さて今回の農文協の主張文では、震災後の復興に名を借りて、漁業権・農地所有権を新規参入者に自由化しようという動きを批判している。一読しただけではわかりにくいかもしれないが、ぜひよんでおいていただきたいと思う。

僕は最近思うのだけれども、第一次産業に関する問題が国民にうまく伝わらないのは、たんにPR力の問題なのではないか。原発を巡る電力各社と国、そしてマスコミの関係のように、製造業をはじめとする他産業界が広告を握っていることで、第一次産業のメディア力が封じ込められているということだ。だから、農業問題やTPPに関しては本当に「まさかこんな稚拙な議論が?」と思うようなことが堂々と論説となって流布されているのである。

さて農文協とはまた違った立場だが、宮崎県の農業会議という組織で主に農地関連の仕事をしているスペシャリスト・杉田さんのブログも紹介しておく。

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http://www.power-miyazaki.net/hojin/2011/08/post_205.html

とりあえず今日はここまで。