岩手県南の職員として奔走しているヨシヒコさんから、ポルコロッソ山崎シェフの近況が写真にて送られてきた。ロレオール伊藤シェフは前沢でメール環境もあるのでいいのだけど、大船渡はネットどころではない状況なのです。
上の写真は、例の無償貸与されたカーナビを手にする山崎シェフ。その背景になっているのが、彼がいま炊きだしの本拠地としているリアスホールという施設だ。その壁にはこんな張り紙が!
さて山崎純ちゃんは一人で孤軍奮闘しているわけではない。彼を中心に、大船渡近隣の料理関係者にボランティアスタッフを含めたチームを結成し、「さんさんの会」という名称で震災後より活動をしている。
どんな活動かというと、大船渡近辺に散らばる避難所や、避難所には起居していない家や集落に「御用聞き」をし、細やかな要望を拾って県やNPO団体へ中継し、そして炊きだし・料理提供を行うというものだ。一言で言えば簡単だけども、これ、超上級な派遣介護サービスのようなもので、とてもプライベートな組織が無償で行うようなものではないように思う。けれども彼らは基本的に無償で活動をしている。
その根底にはやはり、「ここは自分の愛する故郷だから」というのがあるのだろう。そういう動機がなければ、なかなかできるもんじゃないと思う。
リアスホール内には県やNPOからの物資が続々と到着する。それを寸胴などで一括調理する。
プロの料理人達だから、大量調理もなんのその。栄養バランスをきちんと考えたうえでの献立計画をたてることができる。これからの数ヶ月、現地に必要なのは臨機応変な対応ができる栄養士や料理人だと思う。
この会は、調理した料理を配達するところまでやっている。そこで、先日このブログでも読者の皆さんにお力をお借りした、GPSシステムが必要になっているわけだ。これ、借りることができたGPSを使って独自のマップを読み込ませ、使っているシーンである。
これで、地理勘のないボランティアスタッフでも、配達業務のような仕事はできるようになるというわけだ。
考えてみたら、道を知らない人間に、こういう状態の町中をナビすることは難しい。
もしかすると、道を知ってた人でも、目印がすべて壊れてる状態だからわからないかもしれない。そんなときに、純粋に緯度経度で位置をポイントしてくれるGPSは福音といえる(地図情報がちゃんとしてれば、だけどね)。
こんな感じでポルコロッソの山崎シェフ他、頑張ってます。
世の中はGW。けれども彼らにはGWも何もない。東北の片隅で、苦境のなかでも豪快に笑いながら日々、人のために食を支えている人たちが居る。僕たちはそれを少なくとも忘れないという支援をしていこう。