だんべうどん編の途中だけど、宮崎入りしています。
宮崎というか九州に来ると、もう本当に震災の話は遠く離れた物事というような空気だけれども、それはそうだ。宮崎は昨年4月以降、口蹄疫と鳥インフルと新燃岳の噴火という、トリプル被災に遭ってきた。宮日新聞の朝刊を開くと、一面トップは原発関連、その横に家畜伝染病予防法(家伝法)の改正案が衆院で通ったことが掲載されている。
今回の家伝法の改正では、口蹄疫の患畜を早期発見するための措置と、全額補償の基準、生産者に対して埋却予定地をあらかじめ確保しておくこと、それに加えて都道府県の自治体レベルでも準備をすること等が盛り込まれた。これは宮崎県の戦いの中から導き出された尊い教訓に沿ったものと言える。口蹄疫はまだどこで発生するかわからないし、その可能性は大いにあり得る。宮崎ケースを風化させず、語り継いで全国の畜産農家が備えをする必要がある。
そして宮崎県内で多発していた鳥インフルは一応の落ち着きを見せたようだ。新燃岳は依然として活動が活発で、中の見開き面を使って灰の処理法などのQ&Aが掲載されていた。灰は重いので、大きなビニール袋にたくさん入れてしまうと破れてしまうので注意、など。
宮崎県は昨年からずーっと災害に見舞われてきた。しばらくは彼らを安寧が包むことを祈りたい。しかし、昨日午後に京屋酒造の渡邉社長と久方ぶりにお会いしたら、「こんな宮崎でも、震災ショックが来ています。福岡で飲食店がふるわず、昨対比40%減だそうですよ!」とのこと。
西日本はぜひ、被災地を暖かく見守りながらも、活発な経済活動を営んでいただきたいと切に思う。
さて、ホロホロ鳥の石黒さんより、「餌が届きました。これで大丈夫」との連絡あり。ラ・毛利の毛利シェフはいま、食料満載の車で岩手入りし、被災地で炊き出しをしているそうだ。彼の大学は大船渡にあった水産学部だったのだ!
実は先日、飼料の配送を行う会社から連絡があって「餌はあるんだけど、何十トン運んでもすぐにはけちゃう。つまりまだ供給が足りてない!」とのこと。今回の餌不足、じつは原料穀物の在庫は各地に十分にあったそうだ。しかし不況のさなか、どの飼料会社も生産自体をぎりぎりまで効率化するために少ない人員で回すため、増産体制が直ちにはとれなかったとのこと。なおかつ物流上の問題としても、最低限のルートを最低限のトラックで運ぶ体制になっているため、いざ東北へと言っても、余分に回すためのロジスティクスがとれなかったのではないか、という話だった。
経済から冗長性が無くなると、不測の事態の際の被害が大きくなるということである。日本が今後立ち向かっていかなければならないことが、あまりに山積しているようにみえてきた。
では、日南の産地へ行って参ります。