いつもより50%以上、画像のサイズを落として掲載することにします。通信環境も節約したほうがいいと思うので、、、
ホロホロ鳥という面白い名前の鶏肉をご存じだろうか。東京や大阪でも高級なフレンチ・イタリアンにいくとけっこうメニューに載っているのをみたことのある人もいるだろう。フランスでは『鳥の貴婦人』とも呼ばれる、実にデリケートな食感の食鳥である。実はこの鳥を日本で営利生産している経営体は一カ所しかなく、それが岩手県花巻市の石黒農場だ。
その石黒さんからメールが来たので、紹介をしたいと思う。まずは読んでいただきたい。この中に、今後の被災復興にむけた支援で重要な視点が二つあるのだ。
山本謙冶様
ご無沙汰しております。突然のメール申し訳御座いません。
岩手県のホロホロ鳥生産者 石黒農場です。私ども、人・ホロホロ鳥ともに無事です。
同じ岩手でも、沿岸の方々に比べると、ここは被災地とは呼べないです。ライフラインも整い、布団に寝れて、なによりも温かいご飯が食べれます。
柴田書店さんから、メールいただき、ブログ拝見いたしました。
岩手の現状と畜産業の現状を的確に捉えてくださりありがとうございます。やはり、なんと言っても、餌の問題は未だに解決されていません。知り合いの卵屋さんでも、餌が無く卵を産まなくなったので、半分殺処分をしている状態です。
豚でも、餌の手配は出来たものの、現物は届いていない状態です。
大手の養鶏場になると、事態はさらに深刻になっていると思います。我が家は、米・雑穀・麦・糠等に取り組んでいたおかげで、なんとかなっております。
一番ありがたいのが、農家さんからの、協力で、くず米や、糠等 かなりの量を分けていただきました。本当に感謝です。小さい農場なので、なんとかなっているのだと思います。
餌も、秋田経由で入ってくるのとの情報は、入っております。でも知人を頼ったら、周辺県の業者さんのところには、牛・豚・鳥用の餌が充分にあると聞きました。 燃料もあるそうです。こちらの苦況が伝わっていないのかもしれませんが、ぜひ動いてもらえると助かります。人の命が第一ですが、家畜も生き物。命を粗末にする事なく、被災している方々にも食べてもらえるかもしれない。
こんな、非常事態だからこそ、協力体制をつくらないといけませんね。一昨日より、考え方をちょっと変えて動き出しております。
災害は起きてしまいました。いつまでも嘆いているわけにはいきません。
復興に向け、皆で歩き出さなければなりません。そうでなければ経済が衰退してしまいます。
中・長期的に考えをしなくてはいけません。ある程度、落ち着いた時に、恐ろしい事が、起きるような気がします。
業種によりますが、東北の経済が心配です。人が動かない、物が動かない、お金が動かない。そこで、お金だけではなく、人と物を動かす仕組みを考えています。ある所で、試験的に始めた試みの、東北版を模索中です。
具体的には、
○岩手や宮城に来ていただく仕組み作りです。
1.レストランで東京(その他全国各地)からの予約を受け付ける。
2.コース料理として1名5000円とし
予約してくれる人は、料金を振り込んでいただく。
3.その費用で、レストランは地元の食材を中心に仕入れ、
被災者の人たちに無償で食べていただく。
4.予約してくれた方は、岩手に元の日常が戻ったら、おいでいただき、
2500円のランチコース料理を食べていただく。
このような仕組みつくりです。○お世話になっている残間里江子さんが組織しているクラブウィルビー
にて、「産直・岩手・東北」を立ち上げて、買っていただき、その中の半分の品を被災地に、半分をご自分で取り寄せるような仕組みつくりをお願いしております。お金だけではなく、物を動かそうという考えです。様々な組織が被災地に支援とぞくぞく行っておりますが、ただ見物して帰って来ているようところもあります。支援物資もかなり集まっています。ただ、どこのどの避難所で何が必要なのか整理できてないまま、闇雲に行くのは、無駄だと思っています。
非常事態なので、仕方ありません。皆さんのなんとかしたいという気持ちもわかりますし、私だって、行ってお手伝いしたいと思っています。でも、1週間が過ぎました。ライフライン・物流も復活してきました。
次の事も考えないといけないと思っています。とにかく、全国的に飲食店はお客様がいなく悲鳴をあげていると聞きます。
予約はキャンセルだと聞きます。
この状態がいつまで続くのだろう。
プロ野球に象徴されるように、いつまでも、なんでも中止なんていうのは、
経済を悪くするだけだと思います。
そう考えると東北だけが被災者ではなく、日本全体が被災者なのかも。ほぼ毎日、鳥の処理をしています。
売り先が全く無いので、全て冷凍しております。
早く、物流が復活してくれる事を願っています。
油も早く欲しいです。餌も早く欲しいです。でも、こんな悩みが出来る事自体、自分は幸せだと思っております。
みんなで頑張らなくては。生かされた意味を感じながら・・・なにかいい知恵はないでしょうか。お知恵をおかしください。
長々とすみません。
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(有)石黒農場 石黒幸一郎
こんなメールだった。いままさにマスコミ報道も「過剰な自粛よりも経済の活性化を」ということで、あまりイベントなどを自粛しないようにということを言い始めているのでよいタイミングで問題意識をもったメールが来たと感じた。
いまだに孤立している被災地の支援を優先させなければならないし、その間はお祭り騒ぎなどしていられないというのも日本人として同感だ。しかし、沿岸部の被災地と内陸の近接地双方が直面しているのは、今後の復興に向けた動きは長期戦になるということだ。
つまり、我々のごとき支援できる立場にいる者は、いまだけではなくこれから長く支援できるように心づもりをしていかなければならないということなのだ。その形はいろいろな者が考えられる。被災地への義援金での支援だけではなく、しばらくいて事態が落ち着いてから岩手や宮城に足を運んで、ご飯を食べる。地元の企業にお金を落として帰ると言うことも立派な支援だ。そのための余力をぜひ残しておいて欲しいし、実際に足を運んで欲しい。
石黒さんが文中で述べていた支援の仕組みは、実現したら僕のブログでも紹介しようと思う。こうしたネットワーク作りの上手なひと、経験者がいたらぜひ手を挙げていただきたい。岩手の人たちを紹介します(便乗詐欺はやめてね)。
ということで、さらに被災地近隣の情報が入ったら速報していきます。