やまけんの出張食い倒れ日記

ゆっくりと再起動 熱海で温泉~口蹄疫の勉強~ そして僕はさちのハラミをいただきました。信じられない味だった!

いやー今回のダウンはちょっとくらっとした。ずーっと体調が低空飛行だったのが、一気に爆発した感じ。けど、昨日はどうしてもキャンセルできない仕事で熱海へ。病み上がりだけど仕事に満足はしてもらえたと思う。

で、どうせ熱海にいるのだからと思い、手近で入れる温泉を物色した。以前、武術家の先生からたしかどこかの涼やかな高原に行った際に「山本君、訪れた場所にもし温泉があるなら、入っておくことだよ。だって、その場に必要だから湧き出てるんだからね」と言われたことがある。でもあつい風呂が一番嫌い(生まれてこの方、からすの行水です)な僕はフンとほとんど顧みなかった。そしてその帰りの日、僕はいきなり高熱に襲われたのである。頭が割れるように痛く何もできなくなった僕を観てその先生は「だからいったじゃん」といわんばかりだった。ということを体験しているので、こりゃ温泉に入って体力回復だなと思ったのだ。

果たして熱海の温泉は実に効いた。30分ばかり浸かって出ると、それまでの重たい身体がウソのように活気に満ちていた。まあ、熱で血行がよくなったこともあるだろうけれども。

帰り道、小腹が空いたので駅弁を眺める。ふと崎陽軒のシウマイ弁当にそっくりな体裁の、東華軒のシュウマイ弁当が目についたので戯れに買ってみた。うーむ 戯れにもならん 絶句してしまうほど美味しくない! ふだんそんなことブログには書かないけれども、これはないだろう。一つのシュウマイをつまむと他の4つのシュウマイすべてがビローンとくっついて持ち上がってくる。湘南ピュアポークを使っているのはいいが、油分が固まり味が旨く溶け出てこない。どうもシュウマイを冷えた状態で食べることを前提としていないような気がするな。付け合わせのアジフライは味がどぎつく、他のおかずとそぐわない。米の粒立ちが悪くておかずとの親和性が低い。うーん やっぱりデラックスこゆるぎ弁当にしておくべきであったと後悔。

などと、めずらしく批判的なことを書いてしまった。ごめんなさいね。

東京駅からプレスセンタービルに向かい、所属する農政ジャーナリストの会の例会へ。今回から毎月、口蹄疫の専門家を招聘して最新の情報を勉強する。この日は、宮崎の口蹄疫の関係で参考にされる論文としてはおそらく最高の権威となっているこれを書かれた、村上洋介先生。さすがは科学の人、根拠の薄いことは決してお話にならないし、現状の対応状況についてはオブザーバーとしての観点にとどめられていた。原則的にオフレコの会なのであまり書けないが、かなりきわどい応酬もあり。これからの4回はすべて出席することにしよう。

身体的には帰りたかったけど、それを押して神楽坂しゅうごへ。

土佐あかうしを食べに行くことですっかり仲良くなった京都「瓢亭」の高橋義弘さんが、「専門料理」の編集者と食事をしているという。さちのサガリ・ハラミがこれから出るよ、ということで、たまらず参加。

さちのハラミのソテーと、初めて対面した。熟成肉かと思うほどに深みのある赤色。

「もんのすごく旨いですよ、常連さんがこれを食べて、翌日も、その翌日も、計4日間食べに来ました」

と広瀬シェフが言っていた肉である。正直、隣の二人にみられないようにしながら、じわっとまぶたの上部が潤んでいたことを告白する。

あ、おれ泣いちゃうかも、と思ったが、驚いたことに違った!

シトッとひときれを口に運んで噛んだ瞬間、おびただしいうま味が肉からしみでてくるのである。うっ えっ これって本気ですさまじく美味しいってことじゃないのか? 藁で燻し焼きにしている燻煙香がアクセントになっているけれども、ぶっというま味の柱がどーんとそびえている。いやびっくりした。ものすごく美味しい、というよりこんなハラミは食べたことがない!

「、、、これも初めて食べる牛肉の味です。土佐あかうしともまた違う。うま味がずーっと切れずに続いていきますねぇ」

と義弘氏。ほんと、これは素晴らしい。

広瀬シェフにきいたらあと1キロ程度。今週中に無くなることは確実。ぜひいちど食べてもらいたいものだとおもう。

それにしても驚いたのは、口にした瞬間、泣くどころか嬉しくなってしまったことだ。

「うわー、 さち、おまえ最高に旨いよ!」

と、なんだかとっても嬉しくなったのだ。

「それでいいんじゃないですか、さちにとってはそれが一番幸せなことだと思いますよ」

と専門料理の修行僧・サイトウ君がいってくれた。うん、そうかもな。現に心は花開いたように幸せポカポカだ。さち、ありがとう。おまえの肉は絶対に美味しい。誇りを持って売っていこうと思います。

で、明日からいきなりまた陸前高田出張。あー また片道5時間コースだよ、、、