実は取引の関係でちょっとご迷惑をおかけしてしまったのでお詫びの挨拶なのであった。懐かしいお顔ばかり、変わってないと思ったら、主要メンバーの職位がのきなみ昇格していたのでびっくり。課長→部長って大きな変化だよね。
以前、農水省関連のプロジェクトでお世話になった時の部長さんは、なんと参事になっておられた!参事って、農協職員のプロパーとしては最高位だ。ちなみに農協の組合長は、生産者の側からでるのがふつう。事務方つまりプロパーのJA職員は専務とか役員になるのがよくあるパターンだ。
JA幕別町を知る人は皆いうことだけど、この方々は非常~にとっつきにくい。軽々しくものを頼んでも絶対に訊いてくれない。ある大手スーパーのバイヤーが「うん、いいよ、うちで扱ってあげる」と傲慢な口をきいたせいで「いや、あんたのとこなんかに売る気ないから」と一発で取引を断られている。それは、JA幕別町の職員が生産者が生活でき再生産していける価格を絶対に守るという気概を持っているからだ。大きい取引であろうがなんだろうが、一発で終わってしまいそうなものには手を出さない。逆に、量は少なくても、ちゃんと取り組んでくれる取引先とはずーっと付き合い続ける。そんな農協である。
だから、生産者の信頼も厚い。
こちらは馬鈴薯部会の前部会長。「おーセンセイ来てたの?久しぶり!」と雑談させていただく。生産者がこうやって農協事務所にさらっと寄って茶を飲んでいくっていうところが、信頼関係を表している。
「信頼してなかったらこないよね(笑)」
いまだにちまたでは「農協は悪」という一元論を言う人がいる。けれどもね、農協って全国津々浦々にあるんですよ。それが一つ一つ違うビジネスをしているわけで、ぜんぶを一緒くたにどうこう言うのはナンセンスだ。それは「商社という存在が悪い」と言ってるようなものであって「●●商事が悪い」とかいうところまで細分化できないのであれば、発言としてはなはだ不足と思う。それはJA幕別を訪れるたびに思うことだ。
この日も午前中、ほとんどの担当者が出払っている。北海道ではしばらく前に降雨量が100mmを超え、せっかく種芋を播種したのにもかかわらず培地が水に流され、種芋が水に漬かってしまったり、倍土がはげて芋が露出してしまったりしたらしい。そうすると発芽しなかったり、成育中に日光にさらされて緑化してしまい売り物にならなくなる。ここ数日の十勝は晴れ間が続いているので、みな朝から猛作業中だ。JA職員も組合員100名の圃場を廻ってその状況を観察・指示し、時には作業を手伝っている。
「さーて昼飯なにが食いたい?」
と岡坂さんがいうので、すかさず「八重洲!」。週刊アスキーで取材させていただいたことがある、国道脇の名店である。
(つづく)