大洲市で素晴らしい醤油を醸している梶田商店の若旦那である梶田君に蔵を見学させてもらった(後日掲載する)のだけど、その帰り道。
「やまけんさんね、松山に僕や食関連の仲間達の間でいますごく集中的に攻めてる店があるんですよ。カフェ・カバレっていう店なんですけど、カフェって言うけどビストロっぽいところなんです。そこのレッドカレーが旨くて旨くて、、、たまにしか出ないメニューなんですけど、連絡して作ってもらっているんで、行きましょう!」
うん、カレーは飲み物。いつだってなんだって、喜んでいただこうじゃないか!
カフェ・カバレの噂は以前からも聞いていたのだけど、まさか松山市駅近くの、このロケーションだとは思わなかった!
花園町。一つ通りの向こうには、あの甘いラーメン「瓢太」がある。大通りの真ん中を市電が通る、松山の目抜き通りのひとつだ。この写真の方向に渡って、、、
すぐ右に向いたところにあるこのビルの入り口。薄暗い階段をずんずんと3階まで上っていくと、、、
いきなり芽に鮮やかな紅いドアが出現! ここまでの階段が非常に暗い雰囲気なので、そのギャップに目が喜ぶ。
しかも店内は、、、驚くほどにゆったりとした、まさにパリのビストロ!
この方が通称ムッシュと呼ばれるオーナーシェフ。
「ほんとは今日はレッドカレーの日じゃないんだけど、用意してますよ。」
ありがとうございます、、、
窓際の席からはまさしく松山の風景が拡がる。市電がガタゴトいいながら走っている震動も伝わってくるような、ちょっとぼーっと息を抜くのに最高なロケーションだ。よくこんな立地に空き店舗があったなぁ。
「ムッシュ、ここの物件みた瞬間に決めたみたいですよ。雰囲気いいですもんね!」
ほんと、よい空間です。
メニューを見ればしっかりとフレンチ、そしてリーズナブルなビストロ価格。
店に入る前から梶田君が「とにかく若い女の子ばっかりの店なんですよ。ヤロー二名は浮くと思いますけどね!」と言われていたのだけど、このとき店内にはオッサン一名と僕らだけ。
「あ、、、 今日、浅田真央ちゃんとキム・ヨナの生放送があるからだ!」
あー そういうことか!たしかに平日の昼時なのに人通りが少ない。うーんさすがだよ真央ちゃん。
ほどなくして、くだんのレッドカレーが運ばれてきたのでした。
レッドカレー、レッドカレーというのでタイのレッドカレーなのかそれともオリジナルなものなのかとおもったが、運ばれてきたのはやはりタイ料理のレッドカレータイプだ。
フレンチらしく色とりどり、様々な具が入っている。美味しそうじゃあないか、、、
カレーペーストから作っているわけではないようだけど、いろんな手を入れて複雑味をました味になっている。うん、なかなか美味しいレッドカレーです。ご飯がしっかりバターを炊き込んだライスなので、香りとコクが強まってイイ。
うん、ナカナカではありませんか!
しかし、、、
僕はレッドカレーを食べながら、入り口の黒板メニューに書かれていたあるメニューのことを考えていた。
「仔羊のカレー」
ん、、、
おれ、タイカレーも好きだけどさ、当然ながら日本におけるふつうのカレーの方が好きだったりします。
そこで、厨房にいるムッシュをサポートしているサービス担当さんをクイッとお呼びして、お願いしてしまったのでありました。
「仔羊カレーもお願いします、、、」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ
うまそうじゃないのぉおおおおおおおおおおおおおおおおお
えーと、はっきりいいますが、レッドカレーもいいけど、こっちのほうが完成度が遙かに高い! ガシッと焼き込んであるラムが、外側の焼き目のサクリとした食感は残しつつトロトロに煮込まれ、ラム特有の芳香が脂からルーに染み出ている。劇辛とはほど遠く落ち着いたルーも、さすがはムッシュのフレンチ、パリの街角的おちつきを感じる。
さきのバターライスも、どちらかといえばこのカレーに合うようにチューニングした感じ。旨みの相乗効果で、噛むほどに美味しい。
おお、旨い旨い と食べ進む僕を観て堪らなくなったか、梶田君もオーダー。
うわっ 旨いッス これは旨いナー
といいつつ二人でカレー4皿完食!
いやー素晴らしきランチです。
「仔羊カレーは定番なんで、ファンの方も多いです。ランチの目玉ですね。」
とサービス君が言うが、これはたしかにはまりますな。実に品のいい、しかしかっちりと満足させてくれる。カレーです。
「いかがでしたか」
いやー大満足ですよぉ
「あの、やまけんさんって、『専門料理』 に赤身肉の牛肉のこと書いてるやまけんさんですか???」
え! 読んでくれてるんですか?
「はい、土佐あかうしってどんな味だろうってすごく気になってます、、、」
マジ? 隣の高知県の食材だけど、こっちでは食べないのか、、、そうか、、、それならぜひこんどいっしょに高知に行きましょう。
いやーやっぱり専門料理って、志ある料理人は全国どこでも読んでるんだなぁ、と実感してしまったのである。
いやそれにしても 真央ちゃん対決の日でよかった。「うちとしては超・計算外ですけど、、、」というムッシュ、ゴメン、でもすごく居心地がよかったです。
今度は若い女性いっぱいの華やいだタイミングで来てみたいものだ。
カフェ・カバレの仔羊カレー、一食の価値あり。ごちそうさまでした!