にっかつビルの1F飲み屋街にあるその名も「にっかつ」でバシバシ食べた後、その隣の隣にある「楽」(がくと読む)へ移動。
ここは、焼き肉もできるし冷麺も食べられるしという炭火焼き肉と韓国料理の店という業態。コラゾンカンパニーの得意とするコリアン料理業態だ。
そして、もちろん短角牛を食べることが出来る!
「もうね、精肉だけじゃなくてバンバン刺身も出してますから!」
ここで彼がイチオシのものが、なんと牛トロ丼。
「やまけんさんがよくブログに書いている、北海道の十勝の牛トロフレークが有名ですけど、それとは違うアプローチにしたいな、と。で、うちのはどうやってるかっていうと、赤身は短角です。そして、脂は黒毛という変則的な組み合わせにしたんですよ!」
おおおおお なるほどぉ そういうのは俺的には「ダメッ」て言いたいところだけど、素性のいい口溶けの佳い黒毛の脂ならしょうがないなぁ、、、
ついてきたタレにわさびをタップリ溶く。マグロのトロにはわさびをたっぷり乗せても辛味を感じないように、脂はわさびの辛さを中和するのだ。
そして混ぜる!
そりゃまずいわけないだろーーーーーーーーーーーーーーーー
反則だよ反則!
けど、技ありな逸品。実は肉の生食は相当にデリケートな商品なので、出すのは勇気が要る。けど彼は「うちは出します。問題ありません!」と言い切る。いや、そりゃ美味しいですよ。美味しくない要素がどこにもないもん。
さてそれよりなにより冷麺である!
実は僕は、盛岡冷麺よりも韓国の冷麺の方が好きだった。(←過去形ね)
母校の高校では学生が自分たちで行き先を決めるというやりかただった。僕は韓国コースを選んだ。事前には、僕が企画をして韓国料理を食べるというのをやったものだ。御徒町のロッテホテル裏にあるコリアンストリートの店でキムチやチャンジャ、冷麺の生麺、スープなどを買い込み、学校の調理室で調理して食べた。今思うとよくやったなぁ、、、
そんなだったから、冷麺といえばあのそば粉やいろんな穀物の入った、ゴムみたいと形容されることもある腰の強いのが好きだったのだ。
盛岡冷麺は、韓国の通常の冷麺の麺とは違う。でん粉(片栗粉ね)と小麦粉を製麺したもので、ツルンとしたテクスチャーで透き通った麺になる。韓国で咸興冷麺と呼ぶものが近いらしいが、僕もこの麺を韓国で、向こうの高校生と一緒に食べた。「これ、ホントに冷麺?」「うん、普通の冷麺よりもおやつ感覚の冷麺だね」というような会話を、片言の英語で交わした覚えがある。そういう位置づけなのだ。
で、このでん粉ベースの麺はちょっと僕には今ひとつだなぁ、と思ったりしていた。食堂園、盛楼閣のトラディショナルな冷麺は、好きではある。けれども、あえてそこを目指していくところまでは、ないなあという感じ。
しかし!
「うちの冷麺はかなりいろいろ手を尽くしてますよ! でん粉は美味しさを追求すると、絶対に北海道産のでん粉。国産でもやっぱり道産が一番です。で、普通は押し出し製麺をするんですけど、うちは押し出しじゃなくて、麺帯をつくってカッターで切る形式なんですよ。普通はそれだとコシは出にくいんですが、うちは何回も何回も製麺機のローラーを通して、コシを出してるんです。スープはもちろん、牛ベース。たっぷり短角の出汁も入ってます!」
それが、こいつだ。
この麺、押し出し製麺に負けないほどにコシがある!オーダー時に太麺と細麺が選べるのだけど、太麺を頼むと、かみ切るのに苦労するものすごいブリンブリン感なのである。
で、特筆すべきはスープだろう。僕は、あっさり加減のスープで盛岡冷麺を食べるのは全然ダメ。食えたもんじゃない。盛岡冷麺には濃ゆい味の、肉のアミノ酸が溶け出したようなものが欲しい。そうね、スープが一番好きなのは、二戸市浄法寺の「大昌園食堂」の白濁した冷麺スープだ。そこまではいかないけれども、このコラゾンオリジナル冷麺のスープは、いい感じの濃さなのである!
「いやー実はですね、この店の冷麺は「もりしげ」という名店の味になんとか近づきたいと頑張って作り上げたものなんです。」
もりしげ? なんかそこ聴いたことあるような、、、
「もりしげはですねぇ、あの名店・食堂園に務めていた職人さんが、店の改装時におやめになって開いた店なんです。昔はバラックでほんとに小さい店だったんですがね、、、」
と、話を聞いていた佐藤ヨシヒコが「えええっ 俺が一番好きな冷麺はもりしげだよ!やまけんを連れて行きたいと思っていたところなんだよ、、、!」
そうか、そういえばヨシヒコさんからきいていたんだ! ということで二人は超意気投合(笑)
ヨシヒコさんいわく、ここの冷麺はかなりいい線いっているそうである。
プレーン状態で食べた後、別添えのキムチをダバッと投入。
これでキムチのヤンニョムの味が混じったスープを味わった後、今度はお酢も入れる。冷麺は3段階くらいの活用方法があるのだ(これにコショーが加わる4段活用もある)。
いやー旨かった。
しかし実はこの冷麺の旅、ここでは終わらないのである!まだまだ続く。